1919年の三一独立運動後『読売新聞』紙に「朝鮮人を想う」を発表、朝鮮総督府に抵抗した柳宗悦(1889~1961年)。美術家・宗教家・思想家として著名だが、晩年に仏教への傾倒を強くした。
都内の日本民藝館(杉山享司常務理事)で1日、松井健・東京大学名誉教授が講師を務め、「柳宗悦が仏教美学に託したもの」と題する記念講演会を開催、約80人が参加した。20日まで展示会「仏教美学 柳宗悦が見届けたもの」を同館では開催中だ。柳宗悦が55年10月に行った「東洋思想講座第五回」の映像が初上映されており、肉声に触れる貴重な機会である。
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展示に先立ち、都内の日比谷図書文化館日比谷コンベンションホール(大ホール)で1月24日、杉山常務理事は「柳宗悦と仏教美学~『信と美』をめぐる柳思想の終着駅」と題して講演、103人が参加した。
講演を企画した日比谷図書文化館の金昭延さんは、「以前、日本民藝館の展示に関わった縁があり、杉山先生に登壇して頂ける機会に恵まれた」としている。
柳宗悦の愛した朝鮮白磁を紹介する杉山享司・日本民藝館常務理事 |