韓日共同グローバルファンドが
始動
韓国と日本の投資ファンドがスクラムを組み、韓日両国のスタートアップを支援する動きが活発化している。
韓国の中小ベンチャー企業部が今年2月21日に開催した「日・韓ベンチャー・スタートアップ投資サミット2025」で行われた韓日共同グローバルファンドの締結式。この締結式には、韓国の新韓金融グループ傘下の新韓ベンチャー投資、韓国政府系の韓国ベンチャー投資、日本のベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン株式会社(東京都渋谷区)の代表者が参加し、3機関の協力に関するMOUを締結した。
韓日共同グローバルファンドは、Kスタートアップのグローバル成長を支援する中小ベンチャー企業部のマザーファンドを含む韓日両国の投資企業が出資する総額290億ウォン(約30億3000万円)規模のファンド。運用は新韓ベンチャー投資とグローバル・ブレインが共同で行う。
AI、バイオなどの先端分野
にフォーカス
締結式後に行われた資金調達プレゼンテーションでは、AI、IT、バイオ、コスメティック分野の韓国スタートアップ10社が参加して、筋骨格系疾患の自己管理ソリューション事業や楽天との提携によるAI無人運営システムなどの先進的なビジネスモデルを紹介した。
中小ベンチャー企業部によれば、韓国では毎年1兆ウォンを超えるグローバルファンドを設立し、Kスタートアップの資金調達と海外進出を支援しており、今回の韓日共同グローバルファンドの組成は、その一環だ。
共同ファンドは韓日金融連携
の新機軸に
これに先立ち、新韓ベンチャー投資とグローバル・ブレインは、2023年10月に韓国と日本のスタートアップ企業に投資する「新韓GBフューチャーフローファンド」を組成し、50億円規模の投資ファンドの運用を開始している。また、24年5月には1億ドル(約150億円)規模の韓日共同ファンドを組成した。これは韓国政府系のマザーファンドが500万ドル、日本政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)と民間投資家などが500万ドルをそれぞれ出資して、KスタートアップとJスタートアップ企業のグローバル展開支援に乗り出している。
日本のベンチャーキャピタル事業会社のグローバル・ブレインは、IT、DX(デジタルトランスフォーメーション)、ディープテックなどのスタートアップに投資するフラッグシップファンドを手掛けており、韓日スタートアップのグローバル成長に拍車をかける。
こうした韓日の官民を挙げて取り組む共同ファンドの動きは、韓国と日本のスタートアップ支援にとどまらず、韓日間の金融連携の新たな試みとして注目される。
 | | 韓日共同グローバルファンドの締結式に臨んだ関係者 |