韓国で、民主主義と法の支配に対する信頼が揺らいでいる。他でもなく現在進められている尹錫悦大統領に対する訴追のプロセスに対して、だ▼尹大統領の訴追に至る経緯は異例だ。国会は2024年12月14日に弾劾訴追案を可決し、同氏の職務を停止させた。その後、高位公職者犯罪捜査庁と検察が内乱容疑で捜査を進め、ソウル西部地方裁判所が逮捕令状を発行。25年1月15日に捜査当局が大統領公邸で尹氏を拘束した。この一連の手続きに関し不法で違和感のある要素があまりにも多い▼尹氏の弁護団は、逮捕令状の発行や拘束執行が「違法かつ無効」であると主張し、検察や裁判所が政治的圧力に屈した可能性を指摘している。そもそも公捜処には捜査の権限がない。さらには異例の速さで拘束に踏み切ったことや、裁判所が令状発行の根拠を明確に示さなかったことなど問題が多い。憲法裁判所の裁判官は野党「共に民主党」寄りの左派「ウリ法研究会」出身者が多数を占める。多くが文在寅政権下で任命された人物だ。はたして公正な裁判が行われるだろうか▼不当拘束、不当起訴に続き、不当裁判が行われる危険性が極めて高いのが現状だ。このままでは、韓国の自由民主主義が左派に蹂躙され、国家の根幹が揺らぐ危機に直面する▼この戦いは、尹大統領個人を超え、韓国の自由民主主義と法の支配を守るためのものと言える。左派が支配する国会と司法が、国民の意思を無視して権力を奪うことを許せば、韓国の自由民主主義は終焉を迎えるだろう。 |