11月24日に韓日両政府が共同で開催することで合意していた佐渡金山の犠牲者追悼式が、日本側の出席者のみで執り行われた。韓国側は25日に犠牲者の遺族9人と共に、独自に追悼式を開催した▼韓国側が独自の式典を行ったのは、日本政府代表の生稲晃子外務政務官が2022年に靖国神社を参拝したという誤報が一因だったが、韓国外交部は「日本側の追悼の辞の内容などの関連事項が佐渡金山の(世界遺産)登録時に合意した内容の水準を満たしていないことが重要な考慮事項だった」と説明した。佐渡金山は戦時中、多くの韓半島出身者が強制労働を強いられたとされる場所だ。日本側はこういった事実を踏まえれば良い。韓国側も共同追悼行事に参加しないというのはおかしい▼両国は、来年国交正常化60周年を迎える。親善ムードに水を差した形となったが、これを煽るように報道したメディアもあった。反日・嫌韓勢力が、歴史問題を火種とし、両国の友好を妨げることは容易に予想される▼両国関係において歴史問題の解決は非常に難しい。完全に決着することは容易でないだろう。だが、それが両国の未来の妨げとなるべきではない。韓日の親善ムードを損なうのは互いの国益に反する▼尹錫悦政権発足後、両国間の安全保障や経済、民間交流は急速に進んでいる。歴史認識の問題が生じたときに、動じず冷静な対応が求められるだろう。60年といえば、人間でいえば還暦だ。政府・国民ともに、成熟した大人同士の関係を作っていくべきだろう。 |