サムスン電子の最大労働組合である全国サムスン電子労働組合が、無期限のゼネストに突入した。ゼネストは1969年の会社創立以来、初めてのことだ。ゼネストに参加の意向を示した組合員数は6500人以上で、うち半導体関連の従事者は約5200人に上る▼サムスン電子は、年俸引き上げ率で会社が提示する5・1%と労組が求める6・5%をめぐり争っている。サムスン電子社員の平均年俸は約1億3000万ウォンであることから、”貴族労組のスト”との批判の声も聞こえる▼メディアの多くは、減税優遇をはじめ、国をあげてサムスン電子を支援していることから、国民の税金の一部が充当されているのに、自分たちの利益のみ追求するのは何事かとの論調も多い。一方、従業員は、国の経済を支えるほどの企業だからこそ、もっと雇用条件が改善されてもいいはず、と思ってもおかしくはないだろう▼こういったデモは企業のブランド価値を低下させる。また、影響力の大きいサムスンの労組がデモをしたことで、テクノロジー産業全体に同様の動きが広がるリスクがある▼半導体は国の基幹産業だ。韓国経済にとっての命綱ともいえる。何しろサムスン電子の時価総額は、KOSPI全時価総額の20%超を占めるのだから▼世界の半導体競争が激化するなか、サムスンは社内の混乱や生産の停滞は許されない環境にあるはずだ。こういった事態が今後も続くようなら、グローバル競争に勝ち残ることは難しくなるだろう。貴族労組のストは亡国の前兆だ。 |