マレーシアのアンワル首相が中国やロシア、インドなど主要新興国でつくる「BRICS」に近く参加する意向を表明した。アンワル首相は中国メディアとのインタビューで「かつては西側を選択しなければ、罰せられたかもしれないと恐れていたが、時代は変わった」と語ったという▼東南アジアではタイやベトナムなどがBRICS加盟意向を示している。今後、多くのASEAN諸国がBRICSに加盟し、いわゆる西側陣営から距離を置けば、韓日両国はアジアで孤立する▼ロシアとウクライナの戦争でも、いわば「西側離れ」が垣間見える。アフリカの多くの国はロシアを支持している。またアフリカ諸国は、経済的に中国との結びつきが非常に強い▼そういったなか、プーチン大統領は19日、北韓を訪問。金正恩と会談し、「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名。核保有国であるロシアと北韓の連携は、東版NATO作りへの第一歩だとみることもできる。いまのところ中国は静観しているが、今後、中国や反米色の強いイランが同様に参加するようになると、西側諸国にとって大きな脅威となる▼米国を覇権国家として、欧米が主導してきた世界秩序は、確実に変化している。EU内も緊張感が高まっている。「第3次世界大戦の危機」などと煽り立て、不安を広めるような論調は本意ではない。だが大規模な戦争が起こりかねない危険な状況にあることは事実だ。そして韓日両国が今後、これらにどう対応していくか、より関心をもつべきだろう。 |