文在寅政権で法務部長官を務めた曺国が立ち上げた新党「祖国革新党」が、第3勢力として注目を集めている。今回の総選挙は与党「国民の力」の元代表の李俊錫(改革新党)、最大野党「共に民主党」元代表の李洛淵(新しい未来)など、与野党の要職にいた人物が新党を結成、第3勢力を形成している▼祖国革新党は共に民主党の衛星党ともいえる。両党の代表は選挙連帯を発表しており、共に民主党を離党して、祖国革新党に入党する議員もいる▼国民の力はこれに対し、決定打を出せず、いまのところ安易なポピュリズム政策を発表しているだけだ▼それにしてもだ。共に民主党の李在明、祖国革新党の曺国両代表は、いずれも刑事事件で訴追されている。李代表は七つの事件、10の罪で裁判にかけられている。曺代表は不正入試などの罪で控訴審でも懲役2年の実刑判決を受けている▼罪を犯した人物を社会から無条件に排除しようという考えは当然、問題がある。過去の罪を反省していれば、更生の機会を与えるべきだろう。だが、前述の(疑義のある)罪は政治家としての立場・権力を利用した腐敗犯罪だ。そこに「正義」や「大義」などはない▼祖国革新党には、法務部から解任懲戒を受けた朴恩貞元検事が迎え入れられた。虚偽の出国禁止命令に関与した容疑で起訴された車圭根元出入国・外国人政策本部長の入党も噂されている。こうした動きは、はたして正常だろうか。客観的な視点から国の未来を託す人物を選ぶべきではないだろうか。 |