0・72。昨年の韓国の出生率は、驚きをもって日本でも報じられた。韓国の出生率が世界最低レベルであることは広く知られているが、予想以上のスピードで少子化が進んでいることが浮き彫りとなった▼0・72は昨年1年間を通じた数値である。これを第4四半期に限定すると0・65。四半期ベースで初めて0・7を下回ったことに、韓国メディアはフォーカスした▼出生率の低下は韓日共通の課題といえる。少子化は多くの先進国に共通する現象であるが、韓日は文化的・社会的・産業構造的に似ており、かつ少子化の進行が速いという共通点もある▼政府が国家的な課題として少子化を捉えていることも、両国に通じる点である。長らく少子化対策に力を入れてきた日本政府は昨年1月「異次元の少子化対策」を発表。韓国政府も2021年までの15年間で約280兆ウォンの予算を投じて少子化対策を行った。これら対策が奏功していないのも両国の悩みである▼「異次元の少子化対策」の柱の一つが、若い世帯の収入増加である。子供を増やすには、カップルに子どもを持ちたいと思ってもらう、子どもを産み育てられる条件や環境を整えようという視点である▼少子化と同様に、若い世代の参加が激減しているのが民団だ。特別永住者の自然減、国際結婚、日本国籍取得などが原因と言われている。先月28日、民団中央の新3機関長が選ばれた。時代の流れもあり課題が山積しているが、若い世代が活躍できる場をいかに作っていくか新体制に期待したい。 |