パリオリンピック女子サッカーアジア最終予選を戦う北韓代表メンバーが25日、来日した。北韓選手が来日するのは、およそ5年ぶりのこと。空港には朝総連関係者ら約200人が駆けつけ出迎えたという▼今回の女子のアウェイ戦はサウジアラビアで行われたが、2026年男子サッカーワールドカップのアジア2次予選は、3月26日に平壌で開催される。開催地に関してはFIFAが決定するとされているが、近年の北韓情勢、北韓と日本の関係を考えたときに、平壌でサッカーの国際試合を行うこと自体、異例中の異例といえるだろう▼北韓の金与正・朝鮮労働党副部長は15日、日本が政治的な決断を下せば「両国は新しい未来を拓くこと」ができ、岸田首相が「平壌を訪問する日が来るかもしれない」と明らかにした。岸田首相が訪朝し、拉致問題解決に何らかの進展があった場合、落ち込んでいる支持率回復の起爆剤になるだろう。ここ数カ月で北韓と日本の関係に何かしらの変化が生じるかもしれない▼両者の関係が変われば、在日同胞社会にも影響は及ぶ。注視すべきは朝総連の動きだ。金正恩が韓国に対して「敵国」宣言を行ったことで、韓国内の主思派勢力は混乱した。北韓から切り捨てられたという見方さえ出ている▼朝総連にとって民団関係者は敵となる。今回の民団中央3機関長選挙でも朝総連の影響が懸念された。民団は朝鮮学校や朝総連出身者を受け入れている。だからこそ、朝総連の工作活動にはこれまで以上の注意が必要となる。 |