尹錫悦大統領と岸田文雄首相は２１日、広島の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れた。広島では原爆により多くの韓国人が被害を受けたとされる。両国首脳が同慰霊碑を訪れるのは初めてだ▼それまでこの慰霊碑は、主に広島県内の韓国人が祈りをささげる場となっていた。これらの在日韓国人からは感謝の声が多くあがっている▼尹大統領は１９日、一足先に広島で韓国人原爆被害者と会い、「韓国大統領の慰霊碑参拝がとても遅かったと思う」と謝罪した。当事者の心の痛みは他人にはわかりにくいものだが、どれほど待ち望んだことだったか、「まさかこんな日が来るとは」という声がその一端をうかがわせる▼２１日には別の大きな動きもあった。韓国からの専門家視察団が、福島第一原発の処理水の管理点検に出発した。現地視察は２日間にわたり行われた。団長を務めるユ・グクヒ原子力安全委員長は「国民を安心させることも私たちの役割。科学的アプローチを通じて私たちが見たものが何か、追加確認するものが何かを十分に説明すれば国民も信頼するだろう」と話した▼尹政権発足後、韓日関係は急速に改善している。徴用工などデリケートで、簡単には解決できない問題もあるが、韓日間は明らかに明るい方向に向かっている。経済交流は活発化し、民間交流も盛んになった▼韓日は自由民主主義という価値観のもと、互いに協力することで大きな利益を享受できる。両国民は何が真実で、何が大切なのか、判断すべきだろう。