このたび、知的好奇心を満足させる連載を始めることになりました。韓半島の時事問題を解析していこうと思っています。宜しくお願い致します。

■大韓民国支える国民の反骨精神

韓半島は大陸勢力（中・ロ）と海洋勢力（日・米・欧）の利害が衝突する地政学的な戦略要衝地である。３８度線を中心とする休戦ラインは、大陸勢力と海洋勢力の力バランスを保つセンターラインになっている。サッカー場のセンターラインと同様である。
ローマ帝国も地中海を制覇した海洋勢力であり、ポルトガル、オランダ、スペイン、英国に続き、今日は米国が世界５大洋６大州を制覇するＰａｘ　Ａｍｅｒｉｃａｎａ時代である。
日清戦争と日露戦争も、海洋国家である日本が勝利した。第一次、第二次世界大戦も、海洋勢力である英・米陣営が勝利を収めた。地上軍の装備は２～３年で研究開発、製作が出来るので、英語で「Ｍａｋｅ」と言う。しかし空母、艦載機、潜水艦、イージスシステムは１０～１５年以上の長期間による研究開発が必要だから、海軍力建設（Ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ）と言う。
かつて旧ソ連は、大陸国家ながら海洋国家を目指して大海軍力建設に国力を注いた。だが、米国のＳＤＩ（戦略防衛構想）と軍備競争に負けて国力が衰退し、１５カ国に分離独立・解体された。
次の順番は、中国大陸が四分五裂しかねないと、専門家たちは指摘している。過去の歴史先例を見ると、説得力の高い鋭い見方である。
米・中覇権争いで長期戦を視野に入れた米国は２０１９年、世界初の戦略宇宙軍を創設した。因みに、駐韓米軍司令部も昨年１２月、烏山空軍基地に駐韓米宇宙軍を創設した。米韓同盟と日米同盟は、韓半島を含む東アジア地域の平和と安保を支える二本柱である。
因みに、従北・従中路線に傾いた文在寅左派政権が再執権出来ずに追い出されたのは、国民の鋭い安保意識を表す証である。
国民は、歴代大統領を亡命、暗殺、自殺、懲役に追いこんだ反骨気質が、強い特徴である。理念とか与野党に拘らず誤魔化したでたらめ政権は、必ず転覆させた根性がある。
韓国は海外文化が流入すると強くなる。儒教は中国が本家だが、韓国で儒教原理主義として定着した。ソウル汝矣島には、登録信者数１００万人で、礼拝に１０万人が集まるキリスト純福音教会がある。
北韓は封建王朝の君主以上に、指導者への忠誠心が強く、金日成氏をオボイ（お父さん）首領同志と呼んでいる。これこそ、家父長制に基づく儒教原理主義の表れである。
北韓は共産主義の本家ロシアや中国よりも、思想に充実した特異な專制独裁国家になっている。その反面、韓国は自由市場経済に充実した模範生として、自由陣営の最前線に立っている。
最近、検察は従北・従中路線を主張する野党代表の李在明氏に対する逮捕状を請求した。下着メーカー大手であるサンバンウルグループのキム・ソンテ元会長は１９年、李在明・京畿道知事（当時）の平壌訪朝のために３００万ドルを北韓に不正送金したが、これは氷山の一角に過ぎない。　
検察は李在明「共に民主党」代表が城南市長のとき、新都市開発過程で数千億ウォンの賄賂を授受したり、建設会社や病院などから１３３億ウォンの後援金を受け取った証拠も確保した。
前科４犯の李代表は犯罪疑惑を全て否定しているが、国民は李代表の嘘を見抜いている。
過去、保守右派の政治家は疑惑調査中に犯罪事実を認め、謝罪した共通点がある。しかし、左派の政治屋は犯罪事実を全面否定し、事実歪曲する共通点がある。その鉄面皮ぶりに、国民は怒りを抱えている。
次の逮捕の順番は経済と安保を壊し、大型不正疑惑を抱える文在寅前大統領であり、検察捜査を避けられない状況だ。
北韓は昨年、３７回にわたって７３発のミサイルを発射しており、今年に入ってからも、３回の挑発に踏み切った。
北韓の相次ぐ挑発は、文在寅政権の反日・反米路線と従北・従中路線が招いた出来事である。
特に文在寅前大統領は、朴槿恵元大統領の屋敷と全財産を奪い、自分は８００坪の豪邸で６０人の警護員に囲まれた、贅沢な引退生活を送っている。文在寅氏の破廉恥な誤魔化しと血税の浪費を、国民は絶対に許さないだろう。
国民の粘り強い気質や根性と反骨精神は、大韓民国を支える太い柱である。刑務所や霊園入口の看板と石碑には、次の名言が刻まれている。
「昨日は俺の番、明日はお前の番」