韓国与党「国民の力」が、代表のスキャンダルに揺れている。李俊錫代表が、2013年に性接待を受けていたという疑惑である▼李代表は11年、現与党の源流であるセヌリ党の非常対策委員長に抜擢された。26歳、ベンチャー企業経営者という肩書だけで、将来に期待を抱かせた。その後も順調に政界でのキャリアを重ね、14年には党改革のための革新委員長に就任、昨年6月の党大会で代表に当選した▼それが36歳の時のこと。韓国の主要政党では憲政史上初となる30代の代表となった。一時は大統領に推す声も上がったほど、存在感を増してきたタイミングでの醜聞となった▼「国民の力」の中央倫理委員会は22日、李代表の性接待、ならびにその証拠隠滅を教唆したとの疑惑を巡り、協議を行った。判断は7月に先送りされる形となったが、すでに李代表の側近が懲戒処分を受けることが濃厚で、李代表本人にも何らかの処罰が下るものとみられる▼国民は、また裏切られた形になったかもしれない。特に若い世代は、党内の序列争いや既得権益維持のための活動に終始する政治家をみて、失望してきた。そのため李代表にかける期待も大きかったはずだ▼だが、「若さ」は有権者を取り込む手段として利用されがちだ。若いから有能というわけではなく、むしろ経験や思慮不足というハンデもある。政治家としての資質や人間性、政治思想などとも無関係だ。李代表について、国民も冷静に見極めるべきであり、党もはっきりとした処分を下すべきだろう。 |