出帆したばかりの尹錫悦政権に、最初のヤマ場がやってくる。6月1日に投開票を迎える統一地方選挙だ。全国の自治体の首長、議員、教育監(教育長に相当)などが一斉に選出される▼選挙で憂慮されるのが不正である。特に前政権下では、さまざまな証拠が提示されるも、不正を看過、あるいは意図的に無視してきた経緯がある。選挙管理体制を整えなければ、再び不正が横行することになりかねない。ひいては有権者の民意も正しく結果に反映されないことになろう▼不正選挙疑惑については、過去のものも含めて徹底した検証が必要になる。現在、尹政権は国会で少数与党となっているが、仮に大法院(最高裁)が選挙に不正があったと認めれば、国会の解散というシナリオも現実味を帯びてくるだろう▼大統領選は僅差の決着だった。統一地方選も接戦が予想される。尹大統領と大統領選を戦った李在明氏は、地方選挙と合わせて行われる国会議員の補選に出馬宣言した。野党内では反発の声も上がっているが、今後の行方に関心が高まっている▼与党内では画期的な試みがなされている。地方選挙の比例代表候補選出にあたり、能力試験を導入。法令や党規に関する試験で、上位の成績を収めないと候補として公認されない。有権者からもおおむね好評だという▼不正が行われないように目を配りつつ、与党は大統領選の勢いをかって勝利を目指す。いずれにせよ、問われるのは尹大統領のリーダーシップだ。公式選挙運動は19日から始まる。 |