このほど、米国務省が発表した「2021国家別人権報告書」で、韓国社会の恥部が指摘された。本報告書について、韓国では以前から「人権侵害」の代名詞ともいえる北韓に注目してきたが、今回は韓国に関する報告についても話題となっている。
まず、北韓人権に関する報告書は今回も厳しいものだった。国務省は北韓の人権について「北韓が数々の虐待を行ってきたことについて信ぴょう性の高い報告があり、処罰対象になり得る広範囲な問題となっている」と指摘した。米国務省のリサ・ピーターソン人権次官補代行は12日(ワシントン時間)、記者会見で「北韓は世界で最も抑圧的な権威主義国家の一つだと認識している。明らかに北韓政権が組織的かつ広範囲に主導した深刻な人権侵害報道について深く憂慮している」と述べた。
ジョー・バイデン政権下で北韓人権報告書が出されるのは2回目で、昨年のものと内容は類似している。北韓における人権侵害の事例として挙がったのは、北韓政権による違法かつ恣意的な殺害、失踪、拷問、侮蔑的な待遇及び処罰などだ。政治犯収容所の環境問題や独立司法の不在も人権侵害の事例として挙げられた。
1977年から刊行されている米国の「国家別人権報告書」は、各国の米国大使館職員らが現地で得た情報をベースに作成して米議会に報告し、外部にも公開する。今回の報告書は、歴代の人権報告書の中で最も辛辣だと評価されている。特に韓国については、社会腐敗に関して鋭い指摘を受けた。
まず「表現の自由の制約」について、対北ビラ禁止法(南北関係発展法改正案)を指摘。また「曺国一家の不正入試」問題が19年から3年連続で取り上げられた。京畿道城南市の不動産開発不正が取り沙汰された「大庄洞ゲート」も政治腐敗のケースとして指摘された。
報告書では「(京畿道城南市が指定した企業の)火天大有が市の公務員らと共謀して政治家らに賄賂を提供したことが取り沙汰されている。火天大有は初期投資の1000倍を超える利益を得たとされている」と指摘した。世界10位の経済大国で1000倍の利益を保障する大型賄賂事件が発生したことについて、米国の視点では到底理解できないものと映ったようだ。
(ソウル=李民晧)
| 城南市大庄洞不動産開発不正事件の真相究明を求める集会 |
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