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2021年09月15日 00:00
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大韓民国の建国史(248)李承晩建国大統領への朴正煕大統領の弔辞

 祖国独立運動の元勲であり、初代建国大統領である故・〓南李承晩博士の霊前に真心をもって焼香し、厳粛な気持ちで謹んで弔辞を申し上げます。
振り返って見れば、で波乱万丈の数奇な生涯でした。いかにも歴史をかき分けて現れ、自ら歴史を作り、また歴史に数多くの教訓を残して去った、祖国近代の象徴的存在としての博士は、いま、あらゆる栄辱のこの世の縁を断ち、永遠の故郷へ帰りました。
しかし、生前の全ての行動が凡人と違い、実に祖国の明暗と民族の安危に直接繋がれていた、世紀的人物であったため、博士の最後でさえ、われわれに与える衝撃がこのように甚大なものであったことを否定できません。
かつて大韓帝国の国運が傾くのを見て、奮然として立ち上がり、祖国の開化と反帝国主義の闘争を敢行したとき、体を鉄の鎖で縛られ、足を荊棘で遮られたのは、むしろ先駆者だけが享受することができた栄光の特典だったのです。
そして日帝の侵略に追われ、海外の亡命生活三十年余りの星霜が、文字通りあるいは風を噛み、露の上で寝ながら、東奔西走し休む日もなく、またあるいは藪の上に横たわって胆嚢をかみながら、祖国の光復を誓い願ったのも、それもまた革命児だけが味わえる名誉な饗宴であったのです。
しかし、ついに70の老躯で光復を迎えた祖国に戻り、それも断された国土で、内では思想の混乱、外では国際的軋轢の中でも万難を乗り越え、新しい国を建て、民族と国家の方向を提示し、民主韓国の独立史の第1章を飾ったことこそ、ただ建国人のみが記録し得る不朽の金字塔だったのです。
このように博士は先駆者として、革命児として、建国人としてひたすら祖国の開化、祖国の独立、また祖国の発展だけのため、あらゆる労役を楽しみとされ、また献身の成果を自ら収めたのです。
それだけではなく、生涯堅持された民族精気に立脚して、抗日反共の明確な政治路線を信条として不動の姿勢を保って来られ、それはあくまでも博士の国家経綸であり、また、その中でも平和線の設定、反共捕虜の釈放などは世界を驚かせた政治的果断力の歴史的な発揮であったのです。
しかし、執権12年の果てに至って、すでに周知の通り、いわゆる政治的過誤により生きて歴史の審判を受けた、その辛い記録こそ、博士の賢明を暗ました、奸臣の輩らの憎むべき所為でしたが、結局は博士の生涯拭えない汚点となったことを痛嘆する所です。
今日、この場で改めて考えて見れば、それが博士の民族のための生涯のある一部分であるのみで、決して全体ではなく、また、外部的な失政の責任をもって博士の内面的な愛国精神を抹殺するのはできないと考え、かつておっしゃった「団結すれば生きられ、ばらばらになれば死ぬ」と言われた帰国の第一声は、今日もむしろこの国の国民に仰る最後の遺言として受け止め、民族の死活の箴言といたしたいと存じます。
いずれにせよ、博士は、個人的でも民族的でも、世紀の悲劇の主人公であったことを考えれば、哀心をもって熱い涙を禁じ得ませんが、それよりは、祖国の憲政史上に最後の十字架を背負って行かれる「子羊」の存在になられることで、個人的には「韓国の偉人」という聖なる名誉を取り戻し、民族的には二度とこの地に4・19や5・16のような歴史的な悩みが起きないように見守り、自主独立の精神と反共闘争のための先駆者として、末永く道案内人になってくださるよう願うところです。
(つづく)

2021-09-15 3面
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