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2021年04月21日 00:00
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大韓民国の建国史(233)産業化のためのセールス外交を推進

 翌日の12月12日、朴大統領は疲労から回復、航空便でミュンヘンを訪問した。バイエルン州のゴペル知事夫婦など州の要人たちが空港で出迎えた。午後4時から宿舎のホテルで、欧州アフリカの公館長会議が開かれた。李東元外相が主宰したこの会議に出席した大使は、朴大統領の軍先輩が多かった。
朴大統領は創軍元老たちを大挙在外公館長に発令した。革命後、自身が軍を確実に掌握するため、軍先輩たちを国内に置かず、主要国の大使に発令したのだ。この措置は、彼らの存在が国内政局に与えるかも知れない影響力を排除すると同時に、在外公館長として優遇することで、国家的に見ても貴重な創軍元老たちの経綸を活用できる絶妙な人事だったと言える。
朴大統領は会議の冒頭で、外資導入や借款獲得、輸出市場の拡大などの経済外交と、北韓のアジア・アフリカ地域への進出阻止を強調した。会議を主宰した李東元外務長官は、輸出増大と借款誘致などセールス外交の成果を公館長評価の基準とすると宣言した。
朴大統領は12月13日の朝、留学生80人を招待して朝食会をした。ミュンヘン工科大学で博士号を取得、デマグ製鉄会社で研究員として勤務していた金在官博士は、自分が作成した「韓国鋼産業発展計画」を持ってきた。
金博士は1962年、ドイツの鉄鋼会社が韓国の蔚山総合製鉄所建設計画に参加したときに、デマグ鉄鋼会社の研究員として活動した。彼は64年1月、張基栄副総理に、総合製鉄所を建設する方案を提案した。
金博士は朴大統領に言った。
「閣下、鉄鋼材は工業に最も多く使われる素材です。資金不足のため、今はできませんが、いずれかはやらねばならない事業です。自分の論文が少しでも役に立てば幸いと存じます」
朴大統領は金在官博士に、「本当にありがとう。帰国して必ず鉄鋼会社を作る考えです。参考にします」と言い握手した。
朴大統領夫妻は、ミュンヘン近郊の古城を観光した。午後6時にバイエルン州知事夫妻を訪問し、7時からクヴィリエ劇場でモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」を観覧した。
朴大統領は12月14日の朝、ドイツ空軍の軍用機便でミュンヘンのライム空港を出発、午前10時、フランクフルト空港に到着した。ドイツの儀典長と州知事、ドイツ在住同胞たちの歓送を受け、また、ルフトハンザ定期便のファーストクラスに乗って帰国の途に就いた。
「アウトバーンのような高速道路、自動車、鉄鋼産業を育成せねばならない」という、ドイツ総理の助言を聞いた朴大統領は、機内で随行員たちと西ドイツ訪問の感想を話し合った。朴大統領は、西ドイツの復興を見て、産業化革命への確信と覚悟を一層固めたと見られたそうだ。
朴大統領は、工業化のため段階的な開発計画を推進していた。最優先課題の電源開発や大規模の建設に必要なセメント生産に集中していた。
64年には双竜、韓一、現代セメント工場が竣工した。輸出に総力をあげた韓国は、64年11月30日、輸出1億ドルを達成した。これを契機に「輸出の日」を制定、朴大統領の西ドイツ訪問出発直前の12月5日、第1回の輸出の日の記念式を行った。
大韓民国が産業化に総力を傾けているとき、平壌では何が起きていたか。朝鮮労働党は韓半島の赤化のための基本戦略を進めていた。
(つづく)

2021-04-21 3面
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