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最終更新日: 2020-10-21 00:00:00
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2020年04月01日 00:00
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キスン便り<第14回> 韓国での生活(1)

 私は韓国の会計事務所で五年間、駐在員をしていました。日本に居る時には韓国から来た会計士と一緒に働いていましたから、彼らの優秀さは知っていましたが、全体的に優秀だとは知りませんでした。
韓国の会計士が日本に来ると、韓国での職責より一ランク下げられていました。マネージャーはスーパーバイザーに、スーパーバイザーはシニアにされました。それは、おそらく言葉の問題でそうなっていたのだろうと思います。ですから彼らの実力は見た目の肩書きよりもワンランク上でした。
そんな韓国の会計士が、「李さん、パートナーはこのリスクを認識していないんだが、大丈夫なのか」と言ったことがありました。聞いてみると、国際租税上のリスクをクライアントが抱えているのに、担当しているパートナーが国際租税はおろか日本の税法も知らないから自分が説明しても理解できない、というのでした。その時なんと答えたのかは忘れましたが、このエピソードからも分かるように、韓国の会計士は普通に国際租税の深い部分まで知っています。
それで、韓国に行って驚きました。私が所属した法人の日本企業部だけでも百人程度。全体で七、八百人ぐらい居たと思いますが、その平均的な知識レベルは、日本の平均的な会計士の3倍はありました。
日本の会計士は監査しか知りません。しかし韓国の会計士は税務申告書を作りながら監査をし、そこで見つけた問題点をコンサルティングして、コンサル料も稼いでいました。つまり税務、監査、コンサルを一人でこなしており、それで日本の3倍の知識があると思いました。税務は日本企業を見ている関係上、国際租税の細かい部分まで知っていました。その後、アメリカでエンロン事件という粉飾事件があり、監査とコンサルの同時提供は出来なくなったので、現在は大部事情が違うと思います。
さて、当時の韓国では、税務の解説書でもっとも権威があるのは会計士が書いた解説書でした。税理士が書いたものは一段低く見られていました。
そんな会計士たちに聞いたことがあります。「ソウル大学の学生が十人だとして、上から順番にどんな職業に就くのか?」―彼らが答えるには一、二番は医者と裁判官だそうです。三番から七番ぐらいが財閥。八番ぐらいが弁護士や会計士などの専門職。九、十番が官僚になるということでした。つまり成績から言うと自分たちより下の者が官僚になっていますから、会計士の権威が日本と違ってもの凄く高いのでした。
そのせいか、私が居た事務所が出していた税務のコンメンタールを税務署が参考にして実務を行っていました。うちの事務所が税務署と争いになったときの勝率は九割程度でした。税務署はうちの事務所がノーと言うと、びびりました。九割負けている相手ですからね、現場でも圧倒的に会計士の方が税務署より強かったです。
ですから日本の企業は、タックスコンサルティングはうちの事務所に頼んでいました。税務周辺の経済法に関わることもコンサルティングしていました。うちの事務所の最大の競争相手は某有名法律事務所でした。韓国の会計士は、経済法専門の弁護士とでも言えるような位置づけでした。
そんなところで、私は彼らの議論に加われるようになるのに三年かかりました。全ての日本語によるレポートは私の確認を経て外部に出ていきます。中には間違ったものもあります。
そんな時は鉛筆で印をつけて、「ここのロジックと結論は整合性がないと思いますが」とパートナーに示すと、確認して、「ううむ。間違ってる」というのでした。希にそんなこともありました。

李起昇 小説家、公認会計士。著書に、小説『チンダルレ』、『鬼神たちの祝祭』、古代史研究書『日本は韓国だったのか』(いずれもフィールドワイ刊)がある。

2020-04-01 5面
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