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2020年01月16日 00:00
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ノースコリアンナイト~ある脱北者の物語~22 寒さと飢え、一番つらくてしんどい1月

 北朝鮮の民主化に少しでも寄与したいとの思いから決心して、統一日報の身に余る配慮から連載が始まって1年が経った。二人の子どもとの生活で、昨年の読書は新聞と勉強の本以外、3冊900ページほどがやっとだった。北朝鮮では国が同じ内容の指定本を読ませて、考える時間さえも与えず、無理矢理暗記させて洗脳させる「読書」が主流だったが、日本では生活のために「読書」の時間がとれず、憲法上の文化的な権利は自分には該当しないと、たまに寂しくなる時がある。私の文学的レベルの低さを自覚しながらも、北朝鮮の実態を知らせて、私の故郷が世界の普通の国のようになって、拉致した全ての人を高齢の親兄弟が切実に待つ家に帰して、核などで世界を威嚇する不良国家から抜け出して、自国民を愛する国になって欲しいから書く。書き続ける。
一年のスタートである1月、新しい年の始まりの1月は、北朝鮮の人々には一番つらくてしんどい月だ。暖房も温かい衣服も無いまま、氷点下の冬の寒さの中でお腹が空くと、なぜか眠気が押し寄せてきて、その時に寝ると死んでしまう。その死因は凍死なのか餓死なのか。寒さによる餓死か、餓えによる凍死か、独裁者による殺害か…。
あるとき、飢えと寒さに苛まれて亡くなった子どもの遺体を処理する際に(1990年半ばから北朝鮮では街中の死体に対して葬式の手続きや、遺体の保護者を探さず組織的に管理区域を割り当てて「処理」するようにした)、その子の目の下の頬に涙が凍っているのを見た。金氏一族にも親や子どもが居て、人間の形をしているのに。目の前が真っ白になり、全身の力が抜けて失神した。
1月に一番下の生活層の人間は死んでいき、その上の生活層の人間は国から課せられた「課題」に新年の「祝い」どころか何の当てにもならないことを知りながら、1月の存在を憎むのだ。1月の主な慣例の日程は、3日は小学生から個人ノルマの農村支援糞のリヤカーを引いて集会をした後、指定農村地域まで運ぶ(このために前年11月ごろから準備する。お正月に糞泥棒が多く、幹部や財力がある人は参加しない。北朝鮮全域で行われ毎年3日の朝鮮中央テレビのニュースには必ず放送される)、5~30日には元日に発表された「新年の辞」暗記全国競演(幹部の家から新聞を借りてノートに写して暗記、小学校3年生から参加し、組織的に暗記出来てない人は思想闘争舞台で批判攻撃を受ける)、15日からは2月16日の故金正日生誕祝祭準備(組織別に公演作品発表、金正日関連業績刊行本など暗記発表、寒い屋外で10歳の少年団入団式練習、街の道路沿いに金正日讃揚展示物を組織別に準備)などがあって、学生は冬休み中でも毎日学校に行くのだ。社会人は朝から晩まで、とにかくしんどい。新年を迎えた1月なのに暗い顔をしていて、寒さの中の行事は夏より大変で、人々は疲れを隠せない。
そんなとき、国からドキュメンタリー観覧講演会の指示が下された。内容は「新年学生少年お正月祝賀公演」で地方は停電と低い電圧などでテレビが見られないから組織的に映画館で見る。ドキュメンタリーの大事な見せ場は、「新年学生少年お正月祝賀公演」以外に在日朝鮮学生少年団の公演だ。彼らの公演準備からピックアップして見せて、終了後の講演会で大変な海外生活の中でも金正日将軍様を信じて忠誠を誓う在日朝鮮学生少年団と先生、保護者たちを見習い、祖国で偉大なる将軍様と一緒に暮らしている自負心を持ち、より忠誠心を持って生活するように具体的な課題が提示されるのだ。
今年も約100人が訪朝して、自由な日本で暮らしながら金氏一族の抑圧政策に加担して同じ民族・同胞である北朝鮮の人々に苦しみを与えている。彼らは恥じるべきだ。

2020-01-16 4面
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