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2019年10月02日 00:00
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大韓民国の建国史(169)朴正煕の執念が吐露された蔚山工業団地起工式の演説

 「4000年間の貧困の歴史を終わらせ、民族の念願である富貴を創出するため、われわれはここ蔚山を見つけ、ここに新工業都市を建設することにしました。これは(ドイツの)ルール地方の奇跡を超える、新羅の榮盛を再現するもので、これは民族の再興の基盤を築くことであり、国家の百年の計の寶庫を建設することですから、子孫万代の繁栄を約束する民族の決起であるわけです。第2次産業の力強い建設の轟音が東海を震動し、工業生産の黒煙が大気の中に伸びていくその日には、国家・民族の希望と発展が目前に到来したことが分かるはずです。
貧困に喘いでいる国民の皆さん! 5・16革命の真意は、政権への野心や政体の変調にその目的があったのではなく、ひたすらこの民族から貧困を驅逐し子孫万代のための、永久的な民族の繁栄と福祉を保障する経済再建を達成せねばならないという崇高な使命感から決起したのです。この蔚山工業都市の再建こそ、革命政府が総力を尽くす象徴の雄図であり、その成否は、民族の貧富の分け目になるはずだから、全国民は新しい覚醒と奮発、そして協同をもって、この世紀的課題の成功的な完遂のため奮起努力を願ってやみません」
この起工式が終わった後、出席者たちは慶州の仏国寺ホテルで宴会を行った。同席していた金龍泰によれば、このときユソム(USOM、米国の援助機関)処長のキレンは「資本、技術、資源も何もない韓国が、このように大規模な工業団地を作ることは時期尚早だ」と言って、祝賀雰囲気に水をさしたという。蔚山工業団地の建設に核心的な役割を果たしてきた金龍泰は「普段から反対していたのにこの場に来てまでも…」と思って、瞬間的にキレンの胸倉を取って小突き回したという。
それから3年後、金龍泰が国会議員を率いてベトナムを訪問したら、キレンがそこの援助機関で勤務していた。キレンは嬉しそうに手を差し出しながら言った。「蔚山工業団地に多くの工場ができたそうですね。その起工式の日は私が失言しました。お詫びします」
金龍泰は、米国が蔚山工業団地の建設に反対したのは、発展途上国を市場としている彼らには、革命政府の意欲的な自立経済の建設が気に入らなかったはずと解釈した。
それから50年が経った今日の蔚山は、ドイツのルール地方を抜いて世界最大の工業都市だ。貿易額が約1500億ドル、1人当たりの国民所得が4万ドルを超えた。世界最大の自動車工場、造船所、石油精製所が蔚山にある。
革命政権は、必要なことなら何でも受け入れ施行した。産業人材育成のためには、兵営も教育場として活用した。軍事政権は、張勉政府の核心事業だった国土建設事業も継承した。国土建設団は、張勉政権だった1960年11月28日に作られた。失業救済が目的で、団員は3カ月間の教育の後、建設現場に投入された。5・16の後、国家再建最高会議が61年11月改正した法律に基づき、12月から兵役未必者や現役服務不適合者などで充員された。革命後逮捕された者も入れて62年2月10日、国土建設団と名称を統一した。
この制度は、兵役を逃れた者が一定期間「経済開発5カ年計画」に労働力を提供する、一種の代替服務の性格だったため、国土建設団団員は陸軍兵士と同様の作業服や帽子、作業靴を支給された。勤務年数は、建設員は18カ月、志願者は12カ月だった。
(つづく)

2019-10-02 3面
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