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2019年09月19日 00:00
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ノースコリアンナイト~ある脱北者の物語~16 理由の分からないイジメと脱北の話
「北送事業」60周年を迎えて

たんぽぽ

 金日成と金正日は1970年から北朝鮮で「主体思想」旋風を巻き起こし、72年12月27日に「朝鮮民主主義人民共和国憲法」を「朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法」へ改正し、「主体思想」を憲法として規範化、12月27日を「憲法の日」とした。今も北朝鮮の八つある祝日の一つである。「主体思想」は、人がすべての主人だと明示し、人=人民大衆を、最も大事に扱う人間中心思想だと提唱している。その思想の下で70年以上もの間、北朝鮮の人民大衆は金氏一族の奴隷として人生を送っている。
人間中心社会のはずが、保育院で大人が、先生が、保護者が、子どもに暴言・暴力をふるっても裁く法律などない。むしろ忠誠心から来る行動とみなし、それを手本にさえしているという恐ろしい社会に虚弱体質に生まれた私が、一番悪い身分を抱えて生きていくわけだ。
私をいじめる音楽班の保護者にしてみれば、私の母は資本主義―帝国主義・日本から来た悪者で、父はそんな人と結婚した反動分子であり、そのような子と自分の子が一緒にいることが許せないという理屈である。周りの大人や社会全体が私の両親に対してそのように考えているということを、私が知ったのはもう何年か先の話で、それまでは自分に対する理解できないイジメを受け続けた。たとえあきれた内容だとしても、理由があるイジメなら心の整理もできるというものだが、理由がわからないイジメはいくら幼い頃とはいえ、とても辛いものであった。
保育院で先生の質問に答えるときと歌の時間以外には、口を開けることをしなくなった。音楽班に行って楽器に没頭していると、誰もあまり構ってこないから楽だった。こうして好きで始まった音楽が、私の逃げ場になった。時々悲しくなっては、ぼうっとしていた。
こんな4歳の年を終え、新しい幼稚園に入ると辛いことがなくなるんだと思っていた。保育院のいじめっ子と違う幼稚園になったので、ほっとして長いため息が出た。しかし、この安堵の息も長くは続かなかった。
自伝を書くのは大変なことだと、覚悟はしていたが本当に辛い。良くない記憶を思い出すのは、自分が自分をいじめている気がしてしょうがない。
幼稚園時代のことを続けて書くのが辛くなったので、幼い自分を少し休ませたいと思う。ここからは北朝鮮を「離れる、逃れる、不法越境をする」言わば「脱北」の話をする。
世界70億の人口の中で多くの人がパスポートを持って海外旅行をし、移住したいと思ったら法的手続きを経て移住することができる。ところが北朝鮮の一般市民はパスポート、海外旅行などという概念は全く知らないのだ。自分の隣の町へ行くのでさえ、組織に対していろいろな手続きが必要だ。出発地から目的地までの証明書の提出などがないと行けないのである。そんな国で国境を越える、ましてや組織の許可なしでなど、あり得ないことだ。それは死を覚悟することと同じなのである。
その死の越境を、私は10歳未満の子ども2人を連れて家族4人で決行しようと、2007年半ばに決心した。
北朝鮮で「脱北」が頻繁に行われ始めたのは、1995年からだと思う。この年は、北朝鮮人にとってもっとも厳しい年だった。飢えでもっとも多く死者が出た年なのである。
最初に大きく社会的・組織的に問題となったのは、中国丹東の川の向こうに位置する北朝鮮の新義州という町で、日本からの帰国者家族が北朝鮮を逃れて韓国で記者会見を開いたことだった。国中が大騒ぎとなり、その家族と繋がっていた組織の人たちは全員追放、職位剥奪などの処罰を受けた。
全国で組織的な検閲と思想闘争と監視が強くなった。韓国に脱北したのが帰国者家族だったため、帰国者とその家族に対する国内の警戒が強くなった。私たち帰国関連者の間には嫌な重苦しい空気が流れていた。私も何となく胸騒ぎがしていたが、その不安感はこれまでと同じように的中した。
帰国者のスパイ容疑、帰国者が反政府陰謀を企てるなど、全国で噂が広がった。その対象になった主犯というのが「私の夫の妹の旦那の兄の妻の家族」で、平壌市金正淑幼稚園園長であり貿易会社の社長でもあった人の父親であった。(つづく)

2019-09-19 4面
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