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2019年07月18日 00:00
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大韓民国の建国史(161)世界銀行の経験を反映した第1次経済開発計画

 宋正範は外資を自由に導入できるように決定した。国内の貯蓄が少なく、米国の援助も減っている状況で外貨準備高も不足するため、経済成長戦略は自然に外資導入による輸出主導型へと焦点が絞られた。韓国へお金を貸す国がないことが問題となるや、経済企画院は外資導入促進委員会を構成することにした。
第1次経済開発5カ年計画の輪郭は10月末に決まった。(1)農業生産力の拡大による農業所得の増大と、国民経済の構造的不均衡の是正(2)電力、石油、石炭などエネルギー源の確保(3)基幹産業の拡充と社会間接資本の充足(4)遊休資本の活用、特に雇用の増大と国土保全および開発(5)輸出増大を主軸とする国際収支の改善(6)技術振興などが重点目標だった。
経済開発5カ年計画の作業が仕上がるとき、朴正煕議長の訪米計画が確定した。訪米の目的はケネディ大統領に革命政府の正統性を認められ、経済建設に米国の支援を要請することだった。経済企画院は朴議長に必要な資料を用意し、宋正範は世界銀行(IBRD)などの協議に集中した。
朴議長の訪米に、千炳圭財務長官と宋正範経済企画院副院長が公式随行した。朴議長がケネディ大統領に会う時間に、宋正範は米国務省の海外開発処(AID)のハミルトン処長と実務協議をした。米国側は韓国の経済開発5カ年計画を「あまりにも意欲的な計画」と評価した。
ハミルトン処長は「7・1%の成長率を目標としたのは先進国でも例がない。製鉄、製油、造船、肥料、セメント工場の建設は、韓国に必要であることは納得するが、一度にできるだろうか。少なくとも20億ドル以上の外資が必要だが、韓国へ誰がその巨額を貸してくれるのか」と難色を示した。
世界銀行も韓国の経済開発計画に難色を示した。宋正範副院長が彼らを説得して、最終的に第2次経済開発5カ年計画は立案の段階で世界銀行が積極介入するという条件で、外資支援の言質を取り付けた。朴正煕議長が帰国するとき、世界銀行側は幹部を同行させて韓国に派遣した。派遣された世界銀行幹部は外資導入のシステムを直し、すべてのプロジェクトの建設を政府主導で行うことを勧告した。外資導入の際は、政府が保証し、輸出産業の育成を最優先の課題とするように提案した。
世界銀行の勧告を受け入れた経済企画院は、第1次経済開発5カ年計画の基本骨格はそのままにして、部分的な修正をした。
京郷新聞は1962年の1月1日と2日付で、二日にわたって「新春経済座談会」というタイトルの対談記事を掲載した。
財界を代表して李秉喆三星物産社長が、学界を代表して陸芝修ソウル大学校の経済学教授が、政府からは宋正範経済企画院副院長が出席した。この対談で李秉喆社長は、「もっと大きな計画を立てなければなりません。経済開発に対する国民の期待は大きいです。外資は企業家たちが先頭に立って導入します」と述べた。
陸芝修教授は、政府の農工併進政策に憂慮を示しながら、「農業と工業を比較すると、工業の利潤度が高いため、どの国でも工業を優先しようとしますが、韓国の実情では、60%を占める大多数の農民の暮らしがよくなってこそ国内市場も確保できるため、その点から長期経済計画の第1段階では、農業を主とせねばならないということです」と主張した。
宋副院長は、陸教授の主張に対して次のように言い切った。
(つづく)

2019-07-18 3面
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