北側は、平昌冬季オリンピック開幕の前日、建軍70周年を記念する閲兵式を行った。朝鮮労働党が「建軍節」を4月25日から2月8日に変更すると発表(1月22日)してから17日後の閲兵式だった。
ところで、今回の閲兵式の練習はすでに昨年の12月に始まったとされる。酷寒の中で閲兵式の準備が始まったのは、つまり平昌オリンピック開幕の前日に合わせて建軍節を変更することになっていた可能性が高い。
いずれにせよ、北側が「国家核武力の完成」を宣言(昨年の11月29日)した後の初の閲兵式であっただけに、その内容と規模が注目された。録画放送された画面から予想通り、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の火星14と15型、中距離弾道ミサイル(IRBM)の火星12型などが登場した。最大射程1万キロの「火星14型」は米本土の西部が、そして大射程距離1万3000キロの「火星15型」は米全域が射程に入る。
新型SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の「北極星3型」は登場しなかったが、新しい戦術弾道ミサイルが識別された。ロシアのイスカンデル(SS26)だ。最大射程が600キロと言われるこのミサイルは精度が高いため、韓米連合軍には大きな脅威となる。
閲兵式を通じて、朝鮮労働党の「革命武力」(軍)が陸・海・空・戦略・特殊軍の「5軍体制」になっていることが分かった。戦争態勢がより進んだのだ。
問題は、金正恩の閲兵式の演説だ。金正恩は、「労働党の領導に限りなく忠実にせよ」「高度な激動状態を維持し、戦闘準備に一層拍車をかけねばならない」「高度な技術戦ができるように万般の準備を整えよ」「最後の勝利は、革命の銃床を堅く掴んでいる、わが党と人民の方にある」と軍や国民に対して戦争に備えるよう命令した。
そして翌日、自分の妹を平昌冬季オリンピック参観代表団という名目でソウルへ送った。自分の軍事威嚇に対する文在寅政権の反応などを確認したのだ。 |