朝総連が火星‐12号の日本上空通過を歓迎し、称えている。労働党党員である学習組が掌握している朝総連組織は、金正恩の武力示威、核暴走を「朝鮮の武力示威は核戦争の危険の終息」と主張する。朝総連の主張が妥当なら、韓国と日本が核武装するのも、核戦争の危険を終わらせるための正当な対応だ。 朝総連は長年、日本の「進歩的」勢力と連帯して、広島と長崎の反核運動などに参加し、活動してきた。金氏王朝が核武装国であることを自慢したいなら、長い間の反核闘争の仲間たちに、一言でも弁明せねばならない。 朝総連の論理によれば、韓国と日本こそ、核武装をする権利がある。ソウルと東京を広島や長崎にしないため、核武装のほかに方法がないからだ。米国を攻撃できるICBMを持ったことで、金正恩は文明社会の公敵になった。核ミサイルを奪うためには、権力の頂点にある金正恩の命を奪わねばならないからだ。 もし金正恩の賭けが成功して米国と「平和条約」を締結しても、金正恩と彼を支援してきた中国は、戦略的に損をする可能性が非常に高い。中国と北韓の核脅威にさらされた韓国と日本は、より強力な同盟体制を構築するか、中国と北の核戦略に対抗する強力な措置を取らざるをえないからだ。例えば、東アジア地域で軍拡競争が激化すれば、北韓はもちろん、中国も耐えられるか。 平壌側は、金正恩がいわゆる「先軍節」に、韓国の西海島嶼を占領する訓練を指導したと大々的に報道した。一体、朝総連が望む赤化統一の韓半島は、具体的にどういう国か。朝総連は、日本の植民地統治を醜く強調するが、いまだ幼稚な洗脳工作から抜け出せずにいる。日帝植民地時代と金氏王朝の72年間、どちらが住民の犠牲が多かったのかを比較するだけでもわかる。日帝時代と朝鮮民主主義人民共和国‐金氏王朝の犠牲は、比較自体が不可能だ。 朝総連は、社会主義配給制度が停止したことで、北韓に初歩的な市場経済が根を下ろし始めたことを、北の経済好転と宣伝する。このような宣伝に、今も親北人士が動員される。 確かに、金日成王朝の配給制停止によって、市場経済が変則的に定着し始め、私有財産権が初歩的に認められる変化を見せている。だが、これは北の市場経済への進化―革命が起こる初期の段階にすぎない。北ではまだ銀行にお金を入れてキャッシュカードで自由に引き出すことなどできない。脱北者が韓国に来て最も驚くことは銀行から現金を自由に引き出せることだ。自分のお金を自分で管理できる人間の基本権に、脱北者たちは感動するのだ。 もっとも、「首領」の顔が印刷されたお金を銀行で引き出す必要はないかもしれない。理由は、北のお金は、まともな貨幣として扱われないからだ。北では外国のお金が優遇される。これは、経済的に外国に依存し、経済的植民地であることを意味する。 いずれにせよ、今は党と市場が癒着しているが、この過渡期的な癒着は、間もなく最終決着をかけた闘争になる。金正恩の統治道具である労働党と市場は、譲歩できない権力闘争に入った。朝総連が描く理想的な国とは、個人が銀行から現金引き出しもできないような国か。 朝総連は韓国のロウソク革命を扇動している。積弊を批判し、独占を非難する。だが、独占の中で最もひどいの権力の独占、世襲には無言だ。彼ら金持ちを敵対視するが、富を継承する金持ちよりも絶対権力を世襲する金正恩はそれ以上の悪だ。朝総連がロウソク勢力を鼓舞するため展開する宣伝活動は、失笑を買う。 先週も朝鮮新報は、韓国の歴史教科書「国定化」費用の出所を明らかにせよという煽動記事を掲載した。全くおかしな話だ。3万以上の金父子像を建て、死んだ指導者をミイラとして展示するため、天文学的なお金と労力を傾ける首領体制が、韓国の教科書を問題にするのは、自分の顔に唾を吐くようなものだ。 平壌と朝総連は、人民と同胞を搾取して儲けた貴重なお金と資源を偶像化に費やしている。労働党が推進した「21世紀の太陽、金正恩将軍万歳!」を叫んだ第5次白頭山偉人称賛国際祝典(8月13日~17日)には、各国からの外国人を招待した。日本でも有名な金丸信の息子・信吾(東京‐平壌虹の架け橋顧問)をはじめ、弁護士や教授などが参加した。米国が自国民の北訪問を禁止し、日本政府の対北制裁が施行される今、この親北関係者たちが平壌に行ったという事実に驚くが、一体このお金をどこから出ているのか。(つづく) |