ログイン 新規登録
最終更新日: 2017-07-25 07:56:04
Untitled Document
ホーム > 連載
2017年03月08日 22:06
文字サイズ 記事をメールする 印刷 ニューススクラップ
 
 
高麗青磁への情熱-86-
まさ子の発病(四)

 「四年前、あたしの仕えている若奥様がこの家にお嫁に来られましたが、最初の晩に新郎が亡くなられ、これまで二人きりで暮らしてまいりました。ところが昨日の晩、どうしたことかお客様の来られたあと、若奥様が梁に首を吊って亡くなられて、それであたしが泣いていたのです」
その言葉を聞いたこの馬鹿な学者、一言半句も返せず、そのままあたふたとその家を出てソウルに着きはしたが、科挙試験に落第という憂き目をみた。
その後も何度もソウルに出て、科挙試験を受けたが、そのたびに落第であった。女の気持ちを汲んであげなかった学者の一生は、結局その女の気持ちに縛られていたということである。学者がその手で女を殺した訳ではないが一生涯、官職にも就けず片田舎で身を持ち崩してしまったという話なのである。
私はふと、その学者の犯した行いを思い浮かべて胸に迫るものを感じた。まさ子をこのまま放っておいて、あるいは死にでもしたら、あの学者のような運命をたどるのかもしれない。したがって、私が暫く犠牲になっても、まさ子の命を救わねばならない、そう考えた。
「人というものは、死んではなりませんからね」
「ああ、そうか!」
彼ら四人はあまりの嬉しさに、じゃあ早く出かけようと催促した。私は工場からの出がけに、仕事道具を箱にしまい込んで、崔鎭煥君に言った。
「今日はまさ子の家に行って、帰ってこられないようだから、母にそう伝えておいてくれたまえ」
私はまさ子の母の後に従いていった。電車に乗り黄金町一丁目で降り、安合号で買い物をしてから再び後を従いていった。
まさ子の家は東洋拓殖会社裏の小さな朝鮮式の藁葺家だった。われわれが中に入ると、その気配に気づいたまさ子が訊いた。
「誰?」
「あたしよ」
「お母さんなの?」
「そうよ」
まさ子の母が先ず部屋に入った。
私は靴の紐を解いていた。編み上げ靴はひどく時間がかかるものなのである。靴の紐を解きながら考えた。どんなことを言ってまさ子を慰めてあげようか。
部屋に入って、床に就いている彼女を見ると、それはひどい姿だった。骨と皮がくっついているかのようで、とても見ていられないくらい痩せ細っていた。
「まさ子、ごめんよ。おまえがこんなだとは知らなかった」
「何ですって? 誰があなたに来て欲しいって言って? 何故来たの? どうして来たのよ? 帰ってちょうだい、帰って!」

2017-03-08 6面
 
高麗青磁への情熱-85-
뉴스스크랩하기
連載セクション一覧へ
文在寅政権の全体主義独裁を警告する
韓国企業、日本人学生に人気 ~在日の...
東京でも「金正恩を許すな」
「革命政権」に冷淡な同盟 
大統領の国憲びん乱 
ブログ記事
涙の七夕・・・父の四九日、永久のお別れ
新・浦安残日録(6)
You Raise me Up
6.25戦争勃発67周年に際して
新・浦安残日録(5)続・晩節の“選択”
自由統一
米本土届くICBM 米国社会に無力感も
制裁以外の有効打は 李相哲教授が講演
北無人機、THAADを撮影
こん睡状態で帰国
「6.15記念行事」共同開催不発


Copyright ⓒ OneKorea Daily News All rights reserved ONEKOREANEWS.net
会社概要 会社沿革 会員規約 お問合せ お知らせ

当社は特定宗教団体とは一切関係ありません