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2017年01月12日 16:25
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朝総連衰亡史(26)
世界的な謀略基地だった朝総連実力の秘密

 朝総連は朴槿惠大統領弾劾政局に便乗して一息ついているようだ。自分たちに向けられる日本社会の関心、批判、疑心などの視線を少しでも避けられる状況だからだ。金正恩体制の「末期状況」を一瞬でも糊塗する材料として、韓国政局の混乱、政変状況は喜ばしいに違いない。
朝鮮労働党とその在日党である朝総連が今までに展開してきた対南工作は、いわゆる南朝鮮革命という積極的な側面と並行して、平壌の暴圧体制と矛盾を隠す目的もあった比重はほぼ同じだったといえる。
朝総連は1945年10月以来、日本共産党の前衛勢力として、その後は金日成独裁体制を支える手段として機能してきたが、最も重要な任務が東京を謀略の発信地として大韓民国と韓米同盟のイメージを否定的なものにし、韓日緊密化を阻止することだった。特に政治宣伝事業は、平壌で行うよりもはるかに効果が大きかった。平壌で発刊することになった多くの宣伝物は、朝総連によって印刷・配布された。
共産主義の拡散、革命の輸出で最も重要なのが宣伝、政治戦争だ。東西冷戦時にモスクワが最も重要視したのが、自由民主体制を瓦解、破壊する政治謀略戦争だった。相手の脳を理念的に支配、掌握するためには歴史観、歴史まで支配することは極めて重要な課題だった。
スターリン主義が移植された北韓はモスクワの社会主義革命輸出の前衛隊だった。また、日本という「敵区」に存在する戦線司令部格の朝総連のすべての活動は、平壌によって厳密に制御、管理された。そのため、朝総連の活動を見るだけでも平壌の戦略、戦術がわかる。
朝総連の歴史捏造と謀略宣伝で最も目立ったのが「6・25北侵説」と「5・18光州民主化闘争」の神話だ。ソ連が解体された後、決定的な歴史資料がすでに公開されたのに、なぜこれほどまでの歴史捏造、嘘に執着するのだろうか。
6・25北侵説はスターリンと毛沢東と金日成の共謀した巨大な謀略だ。共産主義が誇る世界的に構築された謀略宣伝ネットワークは、どのような偽りでも事実にすることができたため、彼らは自信を持っていた。あまりにも巨大な捏造体系だったため、崩れるはずがないと思ったのだ。
「6・25北侵説」は、モスクワの謀略工作にどうしようもなくやられてきた、西側世界の修正主義的歴史観を作り出した、いわゆるリベラルたちによって国際的にも構築された。スターリン、毛沢東、金日成の連合軍と戦って自由民主体制を守り抜いた大韓民国は、世界的社会主義陣営にとって打倒すべき最優先の目標だった。したがって意識、無意識のうちに社会主義の影響を受けたリベラルの公敵でもあった。つまり、6・25北侵説は「米帝国主義の陰謀と非道徳性」を強調、糾弾するために、必ず攻略すべき対象だったのかもしれない。
5・18光州事態は、韓国の軍事政権を謀略にかけるるのにうってつけの素材だった。スターリンがポーランド軍将校を集団虐殺したカチンの森の虐殺のように、長い時間が経った後に真相が明らかになっても謀略の対象となった方は、打撃を回復することがほとんどできない。5・18光州事態の場合、朝総連が大いに活躍した。光州事態を米国の了解を得た韓国軍部の過剰鎮圧や虐殺と決めつけていくことで、世界的に米国当局まで苦境に追い込んだ。
暴動の過程と暴動後の世界的謀略戦で東京(朝総連)が全斗煥政権を悪党にする謀略の基地となった。数千人が虐殺されたという捏造が歴史的事実のように、いわゆる学者の間でも語られた。日本の宗教家も朝総連の謀略に協力した。
大韓民国の大統領を暗殺しようとした北側の特殊部隊の浸透、文世光事件、ラングーン爆弾テロ、大韓航空機空中爆破テロなど平壌側が犯したすべての国家テロや犯罪が陰謀論によって希釈され、さらに韓国当局の自作自然という謀略論を日本のメディアが何の検証もなしに、世界中に発信した。
朝鮮労働党の在日党として、南北の冷戦の在日前線基地として朝総連が重要だった理由は、朝総連が日本社会の独特の文化や情緒を利用できる膨大な基盤を構築したためだ。朝総連自体としては信頼性や発信力が足りなかった。朝総連が持たない権威を与えたのは、朝総連に協力した誠実な日本人だった。このの構図は、拉致問題を金正日が認めるまで続いた。その後かなり萎縮したものの、基本的には今も続いている。
(つづく)

2017-01-12 5面
 
朝総連衰亡史(25)
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