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2016年12月01日 11:10
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高麗青磁への情熱-76-
求婚(一〇)

 次に、金陶山が劇団を引き連れて現れた。当時アメリカの映画界ではリチャード・ダルマッチの人気が凄かったが、いうなれば活劇俳優だった。彼は馬に乗って走りながらも、自動車や列車にうまく乗り移ったりした。金陶山も彼の演技を真似ようとしてあれこれ試みたが、結局成功せず、事故のせいで障害を負った。暫くして、金小浪一行も現れ、引き続き李基世一行も世に出た。この頃から女優が現れ始めた。
 劇団というのは、「河原乞食」と言われるだけに、その日暮らしの生活だった。彼らはある一定の場所に永住することができないから、勢い生活のことが問題となるしかない。もし地方に出張公演にでも出かけるとなると、それこそ侘しい限りだった。どの地方に行くにしても最初の公演で成功せねばならない。もし失敗でもすればその劇団の一行の運命は実に悲惨なものとなってしまう。目前に絶壁の迫ることも知らず、それでももしやといった一縷の希望を抱いていると、その間のいろいろな費用のため、背負紐がちぎれるくらいの借金を背負い込んで進退きわまり、身を滅ぼすことになる。楽隊は楽器を全部取られ、女優は負債の身代わりとして、旅館、あるいは酒屋へと連れて行かれて身をつぶしてしまう。
その話はこれくらいにして、当時の活動写真について整理してみよう。
今では映画というが、昔は活動写真と言った。演劇も、昔は新派とか旧劇とか言ったが、今では現代劇、時代劇などと、実に大きく変わった。
現在の乙支路二街から中央劇場に向かうロータリーを、さらに乙支路一街の方にあがって行くと、三、四軒目に専売庁の倉庫があった。そこがちょうど、一日中活動写真を上映していた高等演芸館の場所だった。その屋上に今でいうサーチライトのようなものを備え付けて、あちこちに光を当てながら人びとを魅了した。
当時の映画は全て短いものばかりで、一度に一〇巻上映した。映画室でフィルムをかけておき、ベルが鳴ると、弁士が出てきて「このたびご紹介する写真はこれこれこういったものでありますから、美しい音楽とともに観てくださいますように」と、切り出す。そして再びベルが鳴ると、音楽が流れ、写真が現れる。
当時の弁士と言えば、徐相昊、金悳経、李炳祚、崔炳龍の四人だった、そして活動写真は全てが、フランスのパテ社のものだった。写真が一つ終わる頃に雄鶏が止まり木を突つきながら鳴くのは、どれもその社のものだった。その後、アメリカから入るようになったが、コロンビア社のものが最初だった。
この高等演芸館は、いつも満員で立錐の余地もなかった。当時の朝鮮の劇場の入場客数が三〇〇名ほどなら、実際にお金を払ったのは百名くらいで、あとはただで潜り込んだ客だった。しかしこの高等演芸館は、入場客が五~六〇〇名で、ただ入りの無法者はわずかでしかなかった。だから自然と黒字を記録したと言う。

2016-12-01 6面
 
高麗青磁への情熱-75-
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