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2016年11月16日 09:41
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朝総連衰亡史(21)
「新全盛期運動」3年半で18%減った「朝鮮籍同胞」

 朝鮮新報11月14日付は、「総連分会代表者大会2016」(新全盛期2次大会)が11月6日、朝鮮大学校で開催されたと伝えた。大会には日本各地から朝総連と女性同盟の分会代表者、朝総連本部と支部の専任活動家と非専任活動家、青商会をはじめ傘下団体の専任活動家など1000人あまりが参加したという。
平壌の最高人民会議常任委員会は、今回の大会にメッセージを送ってきた。内容の一部を紹介する。
「今日、わが共和国の尊厳高い海外公民団体である総連が強威力の主体の海外同胞組織として威容を誇示し、在日朝鮮人運動が世界の海外同胞運動の輝く模範として誇りを示しているのには、分会の働きたちの崇高な愛国の精神と隠れている努力が熱くありました」
本当に聴く側の顔が赤くなる話だ。朝総連が誇る「分会」の活動は、1961年に第1回「分会熱誠者大会」が開かれて以来、70年代までは地域別熱誠者大会の形を含めて14回開催された。しかし、1980年代から90年代にはそれぞれ2回しか開催されず、熱誠者大会が1999年10月に「分会代表大会」に名称変更された後は、17年間でわずか3回となっている。
2002年以降は開かれなかった分会代表大会が、金正日が死んで金正恩が新しい首領になってから、「新全盛期大会」という名で開催された。「新全盛期第1次大会」として2012年10月に開催された「総連分会代表者大会2012」の後の状況を見てみよう。朝総連社会の変化がわかる指標の一つといえる、外国人登録上の「朝鮮籍」の数字は、「新全盛期第1次大会」の直後の2012年12月末に4万617人だったのが、2016年6月は3万3273人で、3年6カ月間に18%にあたる7341人が減少した。
社会主義体制では、人民は一定の階級に分かれている。北は自らを「人民民主主義共和国」と呼ぶが、要するに労働者階級、無産階級が政権の主人だ。そして、「人民共和国」の政府と労働党との関係は主従関係だ。朝総連でも労働者階級が主人なのか。朝総連の主人は「学習組」と呼ばれる朝鮮労働党の在日党員たちだ。朝総連の各級組織はこの在日党に服従するだけの関係だ。「分会」は朝総連活動の基本であると強調されるが、つまるところ、首領のための宣伝活動に奉仕する存在だ。
金日成と金正日時代に労働党宣伝扇動部の副部長を経て、1965年から金日成大学総長、1972年から最高人民会議議長、1984年からは党の国際担当秘書を歴任し1997年に韓国に亡命した黄長燁氏は、北韓の首領絶対主義は、スターリン独裁体制に封建家父長的専制主義が加わったものと規定した。黄長燁氏は、北韓行政の働き手たちは党の「作男」にすぎず、11年間の最高人民会議議長時代は、すべてのことを党が作って通知してきたため、最高人民会議は何も知らなかったと証言した。議長後に昇進して就いたポストが党書記だったのがすべてを物語る。
許宗萬は今回の大会で、4年後の「新全盛期3次大会」に向けての目標を冗長に強調した。宣伝広報事業、同胞奉仕事業、学校支援事業、民族文化事業などを具体的に提示したが、これらすべてが朝総連組織を支える第一線、最末端の分会の働き手たちに一方的な犠牲を要求するものだ。だが2020年に「朝鮮籍」は何人残っているだろうか。
朝総連とその前衛隊の韓統連は最近、「崔順実事態」に鼓舞されて朴槿惠大統領退陣運動を一層強化し、駐日韓国大使館の前へ小規模なデモ隊を送っている。ところが、韓国では誰でも自分の考えに基づいて、大統領の退陣を叫べるが、北韓では首領の退陣を主張するどころか、その体制から逃げる行動、つまり「脱北」すら厳罰に処される。朝総連と韓統連は住民の15%以上を餓死させた「首領たち」と、これを支える労働党に対しては批判と抗議をしたことがない。
事実、批判と抗議がなかったわけではない。批判、抗議した朝総連同胞たちは自ら朝総連を離れたか、粛清されたのだ。そして、朝総連を離脱した数字、つまり「日本国内での脱北者」といえる人々の数が過去50年間、90%だったのが歴史の真実だ。北韓が解放されれば、北韓同胞たちも大韓民国のパスポートを持って、日本を自由に訪問できるようになる。日本で北の暴圧体制に忠誠を誓い、協力してきた者たちは、北送僑胞とその子孫が自分たちに報復するために日本にくる日が遠くないことを自覚しているか。(つづく)

2016-11-16 5面
 
朝総連衰亡史(20)
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