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2016年10月26日 19:48
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高麗青磁への情熱-71-

求婚(五)

 「何だと? 負けてあげるだと? そんな小憎らしいことを言っていいのか、早く札を切るんだ。今度こそ、こっちの勝ちさ」
「さあ、どうかしら」
今度は、私が勝った。
「どうだ。ぼくが勝つときはこんなもんだよ」
「あら、一回勝ったからって、大そうな威張りようね」
「余計なことを言わないで、さあ、早く服でも脱ぎな」
「あら、あたしが怖がるとでも思って? いいわよ、さあ脱ぐわよ」
これは、全てが計画されたものだった。一九年間汚れなく守り続けてきた私の童貞を奪おうとして、このような芝居をうったのである。
まさ子は帯を解いて着物を訳もなく脱いだ。女性の部分だけ腰巻に隠され、ほとんど裸体となった。
まさ子が花札を揃えてしまい込み、それから言った。
「もうやめにして、お菓子でも食べましょうよ」
まさ子は菓子とリンゴの入った籠を出した。
「なんだ、もう一勝負やらないのか」
「これ以上やって具合の悪いのは、どっちかしら?」
「そうさ、また負けたらどうする?」
「どうするって、腰巻を取ればいいんでしょ」
まさ子の言うとおりだ。そうだ。日本人は裸で他人と対するくらい何でもないと思っているのだ。どうしてそうするのかと追求すると、彼らはいつもこう答えたものだ。
その部分を衣一枚で覆ったからといって、それがなくなったり忘れられたりするものでもない。女には女の持つべき秘物があり、男だってそれは同じだ。そのことをよく知っているくせに、わざわざ隠す必要はないではないか、といういつもの口ぐせだった。
このような日本人の考えは、私の経験からもわかっていた。ときに、義父が風呂を浴びて手拭いで体を拭きながら、これみよがしにその部分を露わにして嫁の前を歩き回る姿、あるいは嫁が風呂からあがって義父の前を体を揺すりながら歩くのも見たことがある。また、適齢期の娘の目の前で、父親がその部分を見せたまま歩くのを、私は何度も見た。私は日本人のみだらな生活倫理を知っていたため、まさ子にそれ以上花札を続けようと言わなかった。日本人は礼儀を知らない生活倫理のせいで、男女を問わず一二、三歳にもなると性に強く関心を抱くようになる。
菓子をまさぐっていたまさ子が「これ、召しあがれ」とチョコレートを一枚、私に差し出した。私はそれを受け取って包を破りながら彼女を眺めた。
まさ子の白玉のように白い肌、そして大きく盛りあがった乳房、これが彼女が私を誘惑する武器だった。しかし私は彼女の誘惑に乗るまいと、肝に銘じた。そして、早くその縛りから逃れようと考えた。

2016-10-26 6面
 
高麗青磁への情熱-70-
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