やはり、といっていい。北韓が長距離弾道ミサイルの発射実験を行った。1月の地下核実験に対する国連の制裁が出されようかというタイミングで、核実験と「セット」になっているミサイル発射も敢行したのだ▼北韓は人工衛星だというが、どれくらいの人がその主張を信じるだろうか。仮に人工衛星の打ち上げだったとしても、ミサイル技術を用いたこと自体が国連安保理の制裁決議に違反している▼多くの住民が飢えて死線をさまよっている中、さらに孤立を深めるだけの「人工衛星発射」にどれだけの意義があろう。ただ、こういった常識的な疑問は、もはや彼らには通用しまい。彼らは変わらない。変われない▼変わるとしたら、直接核の脅威にさらされている韓国、特に政府の態度だ。韓国政府は米軍のTHAAD配備について、米国側と協議を始めることを明らかにした。今までは「米国から配備の要請はない」「協議していない」「いかなる決定もない」という「三無」原則を貫いてきた。中国が不快感を示していたためだ▼朴大統領は経済的な結びつきが強い中国との関係に過剰なほどまでの配慮を重ね、時に周辺国の憂慮に背を向けてまで中国に気を使ってきた。北の核問題で、いつかは韓国に味方してくれるかもしれないという淡い期待もあったのかもしれない▼だが、中国の態度には変化の兆しが見られない。多くの韓国国民は、北の挑発に断固たる対応を求めている。北だけでなく、中国にも圧力を加える時が来ている。 |