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2015年10月15日 13:46
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李承晩と朴正煕 アメリカに挑んだ大統領 第1部 -18-
トルーマンの苦悩 韓国の生死を決めた、米国の参戦

 トルーマンは、参戦を決定する苦悩の過程で、第2次大戦勃発当時の歴史的教訓を思い返した。共産勢力の侵略を自由世界の力で断固として叩き、第3次世界大戦へと飛び火するのを阻止すべきだと考えた。彼は「もし韓国が崩壊するまで放っておけば、共産主義の指導者たちはそれに勇気づけられて、わが国の海岸にもっと近い国々も転覆させようとするはずだ。もし共産主義者が自由世界から何の抵抗も受けず大韓民国を強制的に占領することに成功すれば、弱小国はより強力な隣接する共産国家による脅威と侵略に抵抗する勇気を持てないはずだ。韓国が挑発していないこの攻撃を阻止できないなら、国連の創設と原則が危うくなるということは、私にとっては明白だ」と語った。
 米軍の先発隊は7月1日に釜山に到着し、その先発隊であるスミス部隊は7月5日午前3時、烏山北方4キロ地点の竹美嶺に布陣。北韓軍と最初の交戦をした。米軍は予想外に北韓軍に苦戦し、戦死150人、行方不明31人という甚大な人命被害を出した。ところが、米国はこの戦闘で7時間ほど北韓軍の南進を阻止した。マッカーサーはスミス部隊などの血戦により、北韓軍の進撃速度を鈍化させ、約10日間の時間を稼げたと回顧した。そして、その間に米軍24師団の全兵力が大田に集結することができた。
 米国は、北韓軍を取るに足りない軍隊と判断したが、北韓軍は予想外に強かった。1950年8月1日、米軍と韓国軍の各戦線司令部に、隷下部隊を4日まで洛東江の南岸に撤退させて集結せよというウォーカー米第8軍司令官の作戦命令が下された。米軍と韓国軍は、洛東江防御線で反撃作戦を計画するしかない状況だった。戦争開始からわずか5週間で、北韓は洛東江戦線以南地域を除く韓半島全域を占領することに成功したのだ。
 6・25戦争が勃発したとき、米軍が韓国に派遣されなかったら歴史はどう展開されただろうか。ひとつだけ確かなのは、大韓民国という新生国家は長くても1950年8月に国家としては消滅していたはずで、今われわれが生きているこの地は、「朝鮮民主主義人民共和国」という名の国になっていたはずだ。金日成と金正日の統治下で全国民が独裁と貧困の桎梏の中で生きているはずであり、「朝鮮民主主義人民共和国」は北東アジアの取るに足りない、せいぜい中国の準植民地になっていたはずだ。だが、幸いにもそういうことは起きなかった。
 大韓民国は運命の瞬間で蘇ったのだが、ある牧師は韓国の国歌に「神様の加護で」という歌詞があるため、危機の瞬間がくるたびに国が生き残ったと話していた。戦争中、米国の記者がトルーマンに「重要でもないと思って投げだした国の戦争に、どうしてそこまで早く介入できたのか」という質問をした。トルーマンは無言で天を指したという逸話が残っている。筆者はこの逸話を読みながら、さすがキリスト教国家の大統領らしいと考えた。そのうちに、本当に驚くべき事実を発見した。6・25戦争が勃発した直後、米国大統領と親密だったビリー・グラハム牧師がトルーマンに送った電報の内容だ。それは次のとおりだった。

 “MILLIONS OF CHRISTIANS PRAYING GOD GIVE YOU WISDOM IN THIS CRISIS. STRONGLY URGE SHOWDOWN WITH COMMUNISM NOW. MORE CHRISTIANS IN SOUTHERN KOREA PER CAPITA THAN ANY PART OF WORLD. WE CANNOT LET THEM DOWN”
 「何百万の米国のキリスト教徒たちが、今この危機の瞬間に大統領に知恵をくださるよう神に祈っています。今こそ、共産主義者に強力に対応してください。韓国には人口比で世界のどの地域よりも多くのキリスト教徒がいます。彼らが倒れるのを放置するわけにはいきません」
 いずれにせよ、米国の韓国戦争参戦決定は、大韓民国の生死を決めた。米国は韓国を支援する決定を下した後、178万9000人という大兵力を韓国に派遣し、大韓民国を北韓の共産侵略から救った。その過程で米国は、戦死および死亡3万6940人、負傷9万2134人、行方不明3737人、捕虜4439人という自国の若者の血と犠牲に耐えた。

2015-10-15 5面
 
李承晩と朴正煕 アメリカに挑んだ大統領 第1部 -17-
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