北韓は10日、朝鮮労働党創立70年に合わせて軍事パレードなどの祝賀行事を行った。中国との関係改善も強調した。ただ、予想されたミサイル発射実験は行われていない。
パレードに参加した人民軍兵士は過去最多規模の2万人。新型放射砲とKN‐08大陸間弾道ミサイル(ICBM)といった、周辺国にとって脅威となる兵器も登場した。9日の中央報告大会では、「核保有国」であることを改めて強調。金正恩は米国とのいかなる形の戦争にも対応可能だと述べたが、米ホワイトハウスは「論評しない」と一蹴した。
北韓が置かれた微妙な立場も透けて見える。予想されたミサイル発射実験は、今のところ行われていない。金正恩は中国との関係を考慮してか、核保有についても言及しなかった。
中国からは、序列5位の劉雲山・共産党政治局常務委員が訪朝した。10日のパレードでは談笑する姿などが捉えられたが、前日の会談では核開発に対する憂慮も伝えられた。金正恩は「わが国は現在、経済発展と人民の生活改善のために努力しており、平和で安定的な外部環境が必要だ」などと答えたという。
記念行事での祝賀では「人民重視、軍隊重視、青年重視」など、人民の生活を気遣うそぶりを見せた金正恩だが、平壌以外の地域の住民は依然と厳しい生活を強いられているという。韓国の情報筋によると、パレードの費用だけ1兆ウォン以上がかかったという。 |
- 2015-10-15 1面
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