韓国は植民地統治と分断という過酷な条件の下、東西冷戦の反共陣営の最前線として、平壌の共産・全体主義体制と戦いながら、自由民主の国民国家を建設した。その韓国が、総体的な混乱に陥った。北韓を解放して70年間の分断を克服する力を持つ大韓民国が、北に内応する従北勢力によって崩れかかっている。 共和制民主政治制度の核心装置である国会が、従北勢力によって麻痺し、国家社会全般の発展を妨げている。第1野党の新政治民主連合が、「反憲法勢力」として解散させられた統合進歩党の代役を堂々とはたしている。司法府も、法曹界に根を下ろした「金日成の奨学生」たちによって、正常な機能を失っている。 政府や国家権力を監視し、健全な世論形成を先導すべきメディアは、扇動機関化した。憲法精神に反する政党とメディアが、連帯して韓国社会を混乱に陥れている。 この現象は、大韓民国が国家発展のピークを過ぎたことを意味するのか、それとも、より高い段階へステップ・アップするための陣痛や試練なのか。それは、韓国社会の選択と覚悟にかかっている。 韓国のこの混乱の源は、韓半島の赤化統一にすべての資源を費やした平壌の独裁体制から始まる。朝鮮労働党は、地下工作で韓国に土台を築いた後、統一戦線工作を通じて確固たる基盤を構築し、今は韓国社会のヘゲモニーを掌握する最後の闘争に入っている。南北の従北勢力が、大韓民国への総攻勢に出ているといっていい。 この連載で取り上げてきた「反逆の連携構図」を見よう。「統進党―李石基(RO)―康宗憲―韓統連―三千里鉄道―林東源―ハンギョレ新聞―6・15委―新政連―凡民連―朝総連―朝鮮労働党」という連携である。あるいは、「統一ニュース―民族21―民族時報―朝鮮新報」、「民労党(統進党)―全教組―韓統連―朝鮮学校」、「民弁―在日良心囚―韓統連―汎民連―朝総連」、「民主労総―日本の左翼労組―反核運動―朝総連」、「韓国宗教団体―朝総連―日本宗教団体―日本知識人」などに見られるこの繋がりは、彼を庇護・援助した日本社会と癒着して巨大になった。 韓日にわたるこの連帯をつなげる接着剤は何か。彼らの正常な思考体系を麻痺させたのは、歴史教育であった。成熟した思考力を備える前に、歴史観を掌握することだ。それこそ最強の洗脳手段であることを知ったのだ。 北が日本を基地にすることができたのも、「日帝の植民地の記憶」を持った「朝鮮人集団」が存在したためだ。彼らを「歴史戦争」の道具にしたのが共産党であり、金日成だ。韓国の従北勢力、全教組が執拗にこだわる歴史教育は、朝総連の歴史教育と同じだ。 従北たちの信仰となった、捏造された金日成の神話を打ち破り、「反逆と憎悪の歴史観」を克服する闘争は、北韓の解放と韓国の新しい飛躍のための出発点になる。(終わり) |