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2015年08月01日 00:15
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大統領府と対立する国会に冷静な審議望む

 韓国の国会と大統領府が、対立を続けている。双方が互いに「足を引っ張られている」という認識を持っているようだ。
まずは与党議員を見てみよう。大統領にとってみれば、与党の重鎮たちは国政運営の障害となっているし、国会議員にとってみれば、大統領のやり方では国民の支持を得られない、端的に言えば次期選挙で不利になる、ということが根底にある。与党の主流派には「反朴槿惠派」が多い。
少し古い話になる。7月17日のことだ。鄭義和・国会議長は制憲節(憲法記念日)の祝辞の中で、北韓の最高人民会議に向けて「南北国会議長会談」を提案した。
「南北国会議長会談」を開催することはもちろん、提案することでさえ重要な国事行為といえる。鄭議長にとってはスピーチの一節だったのかもしれないが、本来は国会本会議での決議や、あるいは与野党間の合意を得た上ですべき提案だった。
統一部も国防部も、鄭議長の提案に続いて北韓の担当者をソウルに招こうとした。北の返事は「ノー」。しかも批判を並び立てて、朴政権を攻撃した。大統領府にとってみれば、国会議長の「スタンドプレー」により、政権が無用な傷を負ったということになろうか。
最近では国家情報院の「盗聴疑惑」で、大統領は野党の攻勢にもさらされている。国家情報院の諜報活動を公開せよというのは、北の脅威に備えるべき韓国にとっては、非常に危険な提案だ。
野党が中心となって真相究明を求めているが、実害は今のところ確認されていない。選挙戦で与党が有利になるよう操作したのではとも指摘されているが、依然あった「書き込み疑惑」ならまだしも、盗聴によって与党有利の状況を作ることは困難だ。
国家情報院は諜報活動を行っているが、その対象は北のスパイであると説明している。どこからがスパイなのか、その線引きは難しいが、韓国は北のサイバー攻撃に後手に回っているのが現状だ。
韓国は2013年、大規模な北のサイバー攻撃を受けた。銀行などのシステムがダウンし、データも消された。攻撃を受けてから調査をした結果、北の関与が濃厚となった。
2014年には、原発の設計図などを不正に入手しようとした形跡が見つかった。重要なデータは漏えいしていないというが、これも北によるものと当局は判断した。もちろん北は、いずれのハッキング事件についても関与を否定している。
韓国の対応状況に目を向けると、サイバー空間での安全保障に関連する基本的な法すらない。国家サイバー安全管理規定や情報通信基盤保護法といった法はあるが、個人情報の保護に重点が置かれている。サイバー攻撃に対する対応は不十分だ。
国会には「サイバーテロ防止法案」が提出されている。現在野党となっている新政治民主連合の”源流”となっている、開かれたウリ党が与党だった時代に上程された。しかしプライバシー侵害の恐れがあるとして議論の決着がつかず、いずれも廃案となってきた。
通信秘密保護法の改正も、サイバー攻撃への防衛力を高める案だ。通信事業者に傍受設備の設置を義務付けることなどを骨子としている。ただ、この改正法は、北のスパイの捜査を目的としている。国情院の盗聴疑惑で国会が紛糾している今、法の重要性を理解して、これを可決させるのは容易でない。
韓国軍が「領土、領空、領海を守護する」ことを定めた統合防衛法を改正し、サイバー空間まで防衛の範囲を広げるという案もある。すでに先例となる法が、米国や日本で制定されている。
大統領と国会の意見が一致しないことはあるだろう。それを互いに牽制するのは健全なことだ。しかし利害の不一致があるからといって相手の足を引っ張っていては何も生まれない。危機にさらされていることを認識した上で、国民の安全を守るため、活発な議論と正しい判断を望みたい。

2015-08-01 2面
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