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2015年02月11日 00:00
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大韓民国への反逆 その連鎖を絶て(42)
自ら危機を招いた朴槿惠政権

 憲法裁判所が従北政党、統合進歩党の解散を決定(2014年12月19日)したことで国家正常化の決定的契機が生まれたという期待が、到底理解できない混乱政局へと反転しつつある。
まず、朴槿惠政権自身が突然、統進党の”主人”である金正恩との信頼関係の構築を宣言した。大統領が議長を務める統一準備委員会が対北支援意思を表明した。憲法裁判所の統進党解散決定からわずか10日後のことだ。
法務部長官は統進党解散決定を引き出し、さらに李明博前大統領が回顧録を通じて警告しているにもかかわらず、朴政権の大統領安保室長をはじめ、外交、統一部長官など外交安保ラインは、平壌と従北勢力を応援する姿勢を明らかにしている。
朴大統領は外交安保分野の新年業務報告の場で、南北対話の雰囲気づくりを指示した。同盟国である米国との摩擦を引き起こしながら、国連など国際社会の対北圧迫措置を霧散させる措置をとっているのだ。
内乱扇動で1月に有罪が確定した李石基を、盧武鉉政権のとき赦免や特別復権させ、統進党解散に反対立場を表明した文在寅が8日、新民連の代表に選出された。文在寅は、党代表になった第一声で、朴大統領が「庶民増税」を図り、「民主主義を破壊」していると述べ、朴政権との「全面戦争」を宣言した。北の核ミサイル実戦配備への備えなどより、韓国政府の打倒を宣言したのだ。
ソウル高裁の金尚煥判事は9日、元世勳元国情院長に選挙法違反などの罪で有罪を言い渡し、法廷で拘束した。高裁の一介の裁判官が、統進党が反憲法・反国家集団であると断罪した憲法裁判所の決定を否定するような判決を下したのだ。国家の秩序を根本から攪乱する判決である。
政局が統進党解散前の混沌状態に陥りつつあるのは、結論的に朴政権が自ら招いたものだ。保守陣営の専門家たちがこのような事態を予見し、統進党解散の後続措置として汎政府的・汎国家的な公安合同捜査本部を構成して反国家・従北勢力に対する捜査と利敵団体解散のための法整備を促したにもかかわらず、朴政権は警告を無視して後続措置を完全に放棄した。国家正常化への絶好の機会を、逆に危機へと自ら反転させたのだ。
これは、従北勢力と左翼政権が大韓民国の心臓に打ち込んだ「反自由民主主義の五寸釘」を、李明博政権と朴槿惠政権が一つも抜かなかっただけでなく、左翼ポピュリズムに迎合してきた結果だ。つまり、韓半島では東西冷戦後、韓国が南北の政治思想戦で北側に敗北したことを改めて浮き彫りにさせる事態といえる。
韓国の混乱の主な本質は政治の混乱だ。北韓が分断70年間の執拗な対南工作でおさめた戦略的な勝利は以下のように要約することができる。
第一は、大韓民国の建国を否定し、李承晩建国大統領と近代化の土台を作った朴正熙大統領を批判することを「民主化」と規定するように、韓国社会を洗脳したことだ。そのため、いま大韓民国は「国会独裁」の弊害で瀕死の危機に陥っている。(ソウルオリンピック後の)現行憲法は、国会によって名目上の大統領中心制の政府を無力化させた。国会は反国家勢力や従北勢力を庇護する拠点、ポピュリズムで国政を混乱させる震源となった。
さらに、法治を決定的に脅かしているのが司法府の中の左傾勢力だ。そして、左傾化されたメディアが平壌の対南工作に利用され、韓国社会の葛藤を増幅させ、「国会独裁」を増長しているだけでなく、友邦との摩擦まで引き起こす中心となっている。(続く)

2015-02-11 1面
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