在日韓国人社会はここにきて変貌してきた。特別永住者など、代を重ねて日本に長く住んでいる在日韓国人が約35万人、新規定住者が約18万人となっている。民団と朝総連の2つに分かれていた社会に、新規定住者と日本国籍取得者の増加によって新たな変化が生まれている▼かつて60万人の勢力を誇っていた民団も組織離れが著しく、約300あるといわれる支部などの下部組織は相当減っていると聞く。北韓に盲従している朝総連は組織員が5万人を切り、職員や関係者だけの組織になりつつあるようだ。今年の朝鮮大学の新入生は170人程度しかなかったほど、組織は弱体化している。民団もかつては1万数千人集まった行事に1万人も集まらないような状態だ▼それに比べて元気がいいのが新規定住者、いわゆる「ニューカマー」だ。東京や大阪などの大都市には「韓人会」が誕生し、活発に活動している。東京では創設10年を超え、機関紙まで発行されるようになった。まさに在日韓国人社会の再編がどんどん進んでいることの証左だ▼私たちが住んでいる日本社会も国際社会の変化と経済状況に大きく影響を受けている。ところが不思議なことに朝総連組織は異常としかいいようがない。朝大・朝高などの民族学校出身者による横の連携を強めているのだ。組織は細る一方で「青年商工会」などは全国化し、このほど金正恩第1秘書就任式には100人規模の代表団を送っている。12月の韓国大統領選を前に彼らはどのような動きに出るのか。民団は彼らに注視しつつ、大同団結すべきだ。 |