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2011年05月17日 09:23
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大韓民国の現代史に矜持を持つべき理由
柳根一(言論人)
韓国の現代史は自由民主主義の憲法に基づいた建国、ソ連-中共-金日成によって恣行された「6.25南侵」撃退、「産業化」(5.16以後)、「民主化」(4.19以後)で要約できる。この一次的な大詰めを成し遂げたのが1987年の「民主化措置」だった。その後は1960~1987年間の産業化と民主化を超えて先進化へとアップグレードするための陣痛といえる。
ここから抽出できるもの-それは韓国の現代史を「成功事例」と呼ぶに値する理由が何かということだ。まずは、十分な条件が与えられなかったのに如何にして当時の建国のリーダーたちが純粋な自由民主主義類型の国家体制を作ることにしたのかという驚きだ。
二番目は、ソ連と中共が支援した国際的「南侵挑発」に世界最強国の米国を引き込めた幸運と外交力だ。三番目は、世界最貧国の韓国を世界12位経済に引き上げた選択と意志と賭け(betting)の的中だ。四番目は民主化に至る無血の「名誉革命」の成熟性である。
解放空間の劣悪な環境の下で右翼リーダーたちは右翼独裁を以って左翼独裁に対抗せねばならないという誘惑に負けることもあり得た。右翼は当時絶対的な劣勢だったからだ。だが、李承晩博士(*左は就任宣誓をする李承晩大統領)が主導した右翼陣営はそういう可能性を排除し純粋な自由民主主義憲法の政体を選択した。現実政治はもちろん憲法条文とは乖離していた。この乖離がフランスの場合は19世紀末ないし20世紀の初めまで100年以上続いた。 韓国の場合はわずか30年だった。
「6.25南侵」への米国の介入はトルーマン大統領の決断など、米国自らの選択だった側面がもちろんある。だが、李承晩大統領は米国の気が進まない姿勢を頑強に説得して韓-米防衛条約を勝ち取った。韓-米同盟はその後の成功的な産業化と民主化の丈夫な防波堤になった。幸運に加えて「李承晩のリーダーシップ」の苦心惨憺した作品だった。
第3世界を含めて軍事クーデターと権威主義をやった国は数え切れない。しかし1970年代までにはほとんどが産業化に失敗した。今までも成功していない国が殆どだ。1970年代までには韓国の朴正煕大統領(*右写真)がほぼ唯一産業化への進入を成功させた。条件が良かったから? それで誰でもできたこと? ところが条件が良かったわけでもないが、仮に良い条件があったとしてもその機会を機会だと分かって素早く捉えられるのはリーダーの洞察力と決断と賭けと推進力がなすところだ。朴正煕大統領と李秉喆、鄭周永会長がそのリーダーシップの役割をなした。
韓国の民主化パターンも類例を見られないほど素晴らしかった。権威主義政権らによる高度成長で中産層が大きくなり、そのインフラに基づいて民主化への欲求が臨界点に達するや権威主義勢力と民主化勢力が平衡をなした。この時点で権威主義勢力は自らの力を抑えて民主化に承服し、民主化勢力も「闘争の慣性」にもかかわらず、さらに過激な「街闘革命」へ走らなかった。中東の「ジャスミン革命」の流血的な過程とは全く異なる、有関当事者たちの相互節制のパターンだった。
今は産業化と民主化以後の時代だ。この時代をわれわれが上手く管理できるかは疑問だ。だが、韓国の現代史には矜持を持つほどの十分な理由がある。その光に対称する影ももちろん無いはずはないが、人間が作る歴史に完璧を注文するのはできない。始める時の選択が良かったものでありながら全体的に、結果的に良かったら良いことだ。これを教科書に大韓民国矜持史観として盛込まねばならない。
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記事: 洪熒 (hyungh@hanmail.net)  
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