趙甲済
「姓を変える」という言葉がある。自身の姓、すなわち家が恥ずかしいことをやったので姓を変えるという意味だ。自我を否定することで過ちを覆い消そうとする最も極端な自虐行為だ。
南・北韓の対決は、民族史の正統性を置いて争うため妥協が不可能だ。韓民族を代表する国家は一つであるべきだから、どちらなのか? 正統性の核心は、どちらが国家構成員を幸せにさせているのかだ。700万の同族を殺した北韓政権なのか、それとも生活の質で世界12位になった大韓民国か?
大韓民国憲法は1,3,4条を通じて北韓政権を大韓民国領土を占領した不法集団と規定し、韓国だけが韓半島の唯一の正統合法国家であることを明確にした。「国」という字が使えるのは大韓民国しかない。北韓は政権、集団、当局であって国家ではない。国が大韓民国の姓だ。
李明博政府が検定承認した高等学校韓国史教科書はいっせいに「大韓民国の建国」という言葉を使わなかった。「大韓民国政府樹立、北韓政府樹立」と表現した。つまり、大韓民国は国家でなく北韓と同じ水準の存在であるだけだと格下した。大韓民国の姓を変えたのだ。
李明博政府が公認した韓国史教科書が大韓民国の憲法に反逆したのだ。政府の政策と憲法が衝突する時は当然憲法が優先する。したがって憲法に反逆した李明博大統領と教科部長官は弾劾の対象だ。
親北左傾勢力の反大韓民国的歴史観を受容れた李明博政府の教科書は、大韓民国を「生まれてはならなかった、国家でない政府」に格下させた。こういう自虐的歴史観は李明博の歴史観を反映したものと見られる。
李明博大統領は、昨年4月20日の午後、民主平和統一北米州諮問委員たちを青瓦台へ招請して行なった懇談会(*右写真)で、下のように話したと聯合ニュースに報道された。
「私は、北韓と力で、経済的に統合するつもりはない。当面統一よりも北韓の経済が自立できるようにするのが急務で、両国間平和を維持し仲むつまじくそうなるのがもっと重要だ。そうなれば(統一は)付いてくるはずだ。」
「両国間」という表現が気になる。大韓民国の憲法は北韓を国家として認めない。大韓民国の領土である北韓地域を強制占領した反国家団体と看做す。韓半島には大韓民国だけが合法国家として存在するというのがわが政府の一貫した立場だ。したがって、われわれは北韓政権を彼らの「国号」で呼ばない。北韓も同様に「南朝鮮」と呼び、大韓民国と呼ばず国家と認めない。
なのに、大統領が「両国間」という表現を使ったのは北韓を国家と認めるという意味だから憲法違反だ。北韓を国家と認定すると大韓民国だけが唯一の合法国家という民族正統性は否定される。韓半島に二つの国家を認めることであり、これは永久分断、統一の放棄を意味する。何よりも大韓民国と虐殺政権を同格にする妄言だ。
金星煥外交部長官も大統領安保首席の時、公開席上で李大統領のように北韓を国家と呼んだ(「南北が2つの国家を維持しながら相互往来するのが事実上の統一」と説明)。大統領と安保首席が全く同じ言葉で憲法に違反した点は偶然と見難い。
「大韓民国建国」という表現がが一つや二つの教科書でなく六つの教科書全部から落ちたことは誰かの指令によるものと見なければならない。経路がどうであれ、この反逆的指令の最終責任者は李明博大統領だと疑わざるを得ない。祖国の姓を変えた大統領をどうすべきか? 名門家の姓を変えた宗孫を、家の人々がどう処理すべきか? 祖国を生まれてはならなかった、私生児的存在と学生たちに教えるように許容した大統領をどうすべきか?
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反憲法的妄言をした金星煥安保主席を即時罷免せよ!
-公務員が反国家団体を「国家」と呼んだ...
公務員が反国家団体を「国家」と呼び、虐殺者の金正日には「におられましては」と、20代の若造の金正恩には「後継者と内定された方」という極尊称を使ったのは憲法を踏みにじり大韓民国を冒涜した行為だ。李明博大統領はこの際北韓政権の3代世襲に反対するという点を公開的に闡明せよ!
1.金星煥大統領外交安保首席(*左写真)は去る4日、中央日報と現代経済研究院が主催したセミナーで、虐殺者の金正日に対して「おかれましては」、三十才もならない彼の息子金正恩に対しては「後継者に内定された方」と極尊称を使った。
ヒットラーよりも悪辣な民族反逆者に対して極尊称を使ったことよりもっとおぞましいことは、若造に対して「後継者に内定された方」と奴隷的な表現をした点だ。
2.階級打破を核心とする社会主義体制で3代世襲とは通り掛りの牛も笑うことだ。大韓民国政府は民主主義の原則に立ってこういう封建的策動に今から批判すべきだ。にも拘らず、大韓民国大統領の路線を代弁する補佐官が、「3代世襲」を認めるどころか称賛する語法を駆使した。外部の人々は彼のこういう姿勢を李明博大統領の方針と解釈するほかはない。
3.北韓人たちが金正恩の名前も顔も知らないのに、世間知らずの20代青年に、大韓民国の安保政策を管掌する首席秘書官が「後継者に内定された方」と持ち上げると金正日も笑うだろう。今平壌の労働党宣伝煽動部は金正恩に対して何らかの「イメージ操作」していない。ところが、大韓民国の安保首席が出て北韓労働党の宣伝扇動より酷い「世襲体制の宣伝」をやっている。大韓民国建国以来公職者がこれほど反国家的、反倫理的妄言をした例を私たちは知らない。
国民、特に学生たちは、大韓民国の大統領府が金正日とその息子に丁寧に対するのを見ると金正日は良い人で政権世襲は批判すべきでないと考えるはずだ。大人たちが、子供たちが善と悪を区分できなくし、大韓民国の自由民主の理念への自負心も持たないようにする行為だ。
4.金星煥首席はまた、憲法上の反国家団体である北韓政権を「国家」と呼ぶ発言を繰り返すことで、大韓民国を韓半島の唯一の合法-正統国家と規定した憲法に正面から違反し、「南北が2国家を維持しながら相互往来するのが事実上の統一」と説明することで、事実上の分断固着論を展開している。金正日と金正恩に関する妄言は偶発的なものでなく、こういう反憲法的-反国家的考え方から来るものと見られる。
5.われわれは、李明博大統領が憲法を見くびる金星煥首席を即時罷免して対北政策に対する国民の不信を拭うことを要求する。同時に大韓民国政府は、人道的、民族的、民主的、教育的観点から北韓政権の3代世襲に反対することを公開的に闡明せよ!
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「第3南北次首脳会談は、既存合意を包容し超えねば」
金徳龍大統領国民統合特補(*右写真)は、(2010年)3月19日、「今後あるはずの南北首脳会談は、南北基本合意書と(第1、2次首脳会談の合意である)6.15宣言と10.4宣言を包容しながら、それを超えて南北が未来へ向けて手を握って進む姿を盛込むべき」と話したと聯合ニュースが報道した。
金特補は、この日の午後、民主平和統一諮問会議が「第3次南北首脳会談-このように準備しよう」を主題に開催する「専門家招請大討論会」の基調演説文(事前配布)で、「次期首脳会談は、1次的には南北経済共同体、そして文化共同体をどう作るのかを具体的でかつ実質的に議論する場にならねばならない」と言った。
彼は、また「先と後は予見し難いが、今年開催されるG-20首脳会議とこれからある南北首脳会談が大韓民国と韓半島のイメージを変えるだろうという予感を持っている」と言った。[2010-04-21 00:11]
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