趙甲済
韓国は国連開発機構(UNDP)の「生の質」ランキング(去年)で169ヶ国中12位と評価された。スイス、フランス、英国より高かった。経済と福祉と平均寿命が評価の基準だ。高等学校の韓国史教科書を読んでみるとこういう偉業を達成した主人公たちが誰なのかが分からない。李承晩、朴正煕、国軍を扱き下ろし企業家を無視して、労働者-農民-貧民らの犠牲ばかりを強調し、金日成と金正日の悪行を覆った記述のためだ。
学生たちは、韓国人が先進国水準の良い暮らしをするようになったのが誰のおかげなのか、誰に感謝すべきなのか戸惑うだろう。労働者と農民の犠牲が多かった御蔭でこういう発展がなされたのではない。北韓でも労働者と農民の犠牲が惨かったが退歩だけが残った。
学生たちはこういう成就が自ずと、偶然に、無料でなされたものと考えるほかないはずだ。これは歴史を教えることでなく紛れを教えることだ。こういう教科書は扇動文であって、歴史であり得ない。歴史は、国家と民族の発展過程に対して論理的に説明せねばならない。生活の質12位の国が紛れで空から落ちてできたかのように説明するなら、これは歴史でも学問でもない。
韓国史は学生たちに祖国への感謝と自負心を植えねばならない。左偏向の韓国史教科書を読むと、建国大統領と建設大統領と国軍と企業家に対する憎悪心を持つようになる。労働者・農民・貧民の犠牲ばかりでは自負心の根拠が作れない。祖国(国家理念と発展の主役たちなど)を嫌うように教える教科書で習った学生たちは、有り難さが分からない人間になる可能性が高い。有り難みが分からない人間や集団が成功したという話を聞いたことがあるか。
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