李東馥
「世宗市」の建設は人口減少趨勢との函数関係を考慮しなければならない。
「世宗市問題」をおいて政界がまた大きな渦に巻込まれそうだ。問題は忠清南道の燕岐郡一帯に「世宗特別自治市」という名の曰く「行政中心複合都市」を、盧武鉉政権が決めた内容通り建設するのか、それともその内容を大幅修正して都市の規模を縮小し、性格を変えるかの可否だ。
ところが、この問題に関しては全ても政治家たちが必ず考慮せねばならない問題がある。それはわが国の人口変動推移がこの都市の建設にどう作用するかという問題だ。今「世宗市」は目標人口が50万人規模だ。既存計画に基づけば50万人の都市を2012年まで建設し、9部・2処・2庁の中央政府の部署が2015年まで移転を完了するとなっている。
2009年現在の大韓民国人口は4,875万人だ。ところが、韓国の人口は年が経つほど深刻化する低出産現象のため急激に減少している。各種統計によれば大韓民国の人口は年60万人ずつ減少する。この傾向が続くなら、大韓民国の人口は2050年には今より640万人減った4千2百万人になって、2090年には2千8百万人、2100年には2千1百万人に減り、最近発表された「国連の未来報告書」によれば、300年後の大韓民国人口はただ5万人になるという荒唐な数値までも提示されている。
問題は、このように急速に進む人口減少の趨勢の中で、人口50万人規模の「世宗特別自治市」という名のいわゆる「行政複合都市」が建設された時、この都市の入居者を果たして確保できるだろうかということだ。このような人口減少趨勢の中で「世宗市」が建設されれば、国家は恐らく入居人口を確保するため途方もない各種の「特恵」をこの都市の入居者に提供せねばならず、その結果はもう一つの「自足」でない「欠損」都市を誕生させ、国家経済に予測し難い歪曲と負担を強いるようになるに違いない。
今度の定期国会で、「世宗市」問題をおいて死活をかけるような衝突を予告している与野党が、ちょっと頭を冷やして話し合って見ねばならい重要な問題がまさにここにある。政治家らが本当に国家の百年の計に関心があるなら、国の人口変動の推移と「世宗市」建設の間に存在する函数関係を深刻に考慮せねばならない。政治家たちは、ともすると些細な問題を大きくして解決できずにする状況を許してはならないという事実を肝に銘じる必要がある。
|