金成萬(予備役海軍中将、元海軍作戦司令官)
900万人の国民が「韓米連合軍司令部」の解体反対に署名した。こういう状況であるのに、わが国防部(合同参謀本部)が韓米連合司令部の解体を当然視しているなら大きな問題だ。
北側が今年に入って2度目の原爆実験を行い、弾道ミサイルを大量(18発)発射した。甚だしくは対南全面対決態勢を宣言し、停戦協定の無効化まで言及した。「6.25戦争」後の最悪の安保危機が襲い掛っている。しかし、わが政府と国民はあまりにも平気だ。これを心配する人が誰もいない。太平の世だ。
その理由は、ソウルに韓米連合軍司令部があり、駐韓米軍がソウル北方の北韓軍の「南侵路」の上に駐屯しているためだ。これがまさに韓国の戦争抑制力だ。特に、韓米連合軍司令部は、韓国安保のアルファでありオメガだ。この軍事機構の平時の任務は、「戦争の抑制」であり、もし抑制に失敗して戦争が起きれば、「最短時間内に北韓軍を壊滅させ、韓国主導の自由民主主義統一を保障」している。「西海5島」の防御のみでなく、北韓急変事態(金正日の急死、核武器の統制不能状況など)にも完全に備えている。韓米連合軍司令部を通じて、韓国とアメリカは韓国安保に対して無限責任を分担しているのだ。それで、韓米連合軍司令部はまさに韓国安保の命綱である。
ところが、この命綱が徐々に切れつつある。韓米連合軍司令部の解体作業が時々刻々進行しているからだ。盧武鉉政府の過ちのため、2012年4月17日の10:00時に韓米連合軍司令部は解体(戦時作戦統制権の転換)される。韓国(親北左派)政府の執拗な解体要求で、アメリカがやむを得ず合意(同意)したのだ。2007年2月23日、韓米国防長官会談(金章洙-ゲイツ)での合意事項だ。
韓国の合同参謀本部が韓米連合軍司令部から韓国軍に対する「戦作権」を還収し、韓米連合軍司令部を解体することにした。以後の韓国の防衛は韓国が主導しアメリカは支援することにした。事実上の安保の命綱が切れるのだ。しかし、わが国民は、ここまで危険になることを詳しく知らずにいる。わが国防部がこのことに対して国民に知らせなかったためだ。
ところが、この問題が最近言論(2009.9.24)に報道された。李サンイ合同参謀議長候補者が「戦時作戦統制権の還収(韓米連合軍司令部解体)」の進行が、現在58%程度の進度を見せていると明らかにした。李候補者は、9月24日、国会国防委で開催された人事聴聞会で、「戦作権の還収問題に対してどう思っているのか」という民主党徐鐘杓議員の質問に対して、「切迫した心情で戦作権を緻密かつ組織的に引受ける」と言い、このように説明した。
特に「戦作権」問題に対して「引受けるべきかどうかという議論は矢が弓を離れた」と強調した。ハンナラ党の金章洙議員は、「韓国が戦作権を還収するためには色んな補完事項が必要なのに、情報収集能力と精密打撃能力などでまだ足りない点が多い」と言って早急な対策作りを促した。この二人の議員はともに将軍(陸軍4星)出身で、韓米連合軍司令部の解体に対して憂慮しているのだ。
数多くの国民と軍事専門家たちが2005年から「戦作権の転換(韓米連合軍司令部の解体)」に反対してきた。900万人の国民が解体反対署名運動に参加した。予備役の大部分が署名した。今も署名運動は続いている。こういう状況で国防の責任を負うわが国防部(合同参謀本部)が、韓米連合軍司令部の解体を当然視しているなら韓国の将来が心配だ。彼らがなぜ韓国単独の「自主国防政策」に固執しているのかその理由がまったく理解できない。
今、自国軍に対する戦作権を独自に行使すると主張する国家は殆どない。全世界は集団安保機構への参加を通じて安保を保証されている。甚だしくは、唯一の超強大国のアメリカも、NATO司令部に戦作権を任せている。NATOに加入した28ヶ国(カナダ、英国、フランスなど)が全部そうしている。東欧圏の国々は、今もNATOに加入するため全ての国力を投じて努力している。
こういう世界的流れを無視するわが国防部は、今何を考えているのか分からない。予備役(軍人たち)は、予備役と現役の間にできた安保乖離現象を心配している。6.25戦争やベトナム戦に参戦した勇士たちはすでに疲れて自暴自棄の状態だ。
彼らの中では、「これが国の運命なら、誰が防げるだろうか」と嘆いている。一部の軍事戦略家は「もし、韓米連合軍司令部が解体されれば、6.25戦争がまた起きる」とまで強調している。わが政府は、これ以上「安保の命綱」の切断作業を進めてはいけない。韓国の戦争抑制力を弱化させる国家安保政策を推進してはならない。経済も重要だが、国家の生存がもっと重要だ。
わが国民は、今すぐ「韓米連合軍司令部の解体反対千万人署名運動」に参加しなければならない。在郷軍人会のインターネット新聞(www.konas.net)で電子署名で参加できる。(konas)
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