金成昱
高銀詩人は、2009年8月24日、朝鮮日報の崔普植記者とのインタビューで、北韓住民の苦痛を詠わない理由をこう話した。
「わが国に外国の元首がきて、ソウルの「月村」へ行ってみてもそうではありませんか。北韓だけがそうではなく、そこにも惨憺たる生があります。わが大統領が都市貧民をどう全部解決しますか。」
崔記者が、「もしかして北韓住民の惨状とわが社会の貧民問題を同様に見るのですか?」と問い直すや、高銀は、「そうは見ないよ。国家の最高指導者に全ての責任を取れというのは…. 破片的に聞こえるのや、噂では知りようがありません、私が現場に行ってみない限り。現場に行くためには、その体制と会わねば。また、北韓へ入っても(私の)勝手に歩き回れませんでした」と答えた。
崔記者は、引き続き「北韓住民の惨状に対する資料は多く、たくさん報道されました。われわれの周辺には、何時でもこれを証言できる脱北者たちが1万5000人を超えます」と言った。高銀詩人は、「いちいち指摘して、南北関係で何の役に立ちますか。私は政治家ではありません。改善できる何の力もない人です」と答えた。
「6.15宣言実践南側委員会」の顧問である高銀詩人が、北韓民衆の人権惨状に沈黙した理由は、△ソウルの「月村」にも惨めな生がある、△国家の最高指導者にあらゆる事の責任を取れと言えない、△破片的なことや噂では正確な真実が分からない、△政治家ではないため改善できる力がないなどなどの理由だった。
<北韓人権への沈黙指摘に、「ソウルの月山にも惨憺たる生がある?」>
ソウルの「月山」にも惨めな生がある? ソウルで白昼に公開処刑が行われるのか? 金日成の写真に落書きをしたという理由で全家族が連行されて行く政治犯収容所があるのか? 豚やヤギの値段で「性の奴隷」として売られる20万以上の娘たちがいるのか? 針金で鼻を通して連れられていく強制送還の恐れに震えているのか? 連れられてきた後は、嬰児殺害や強制堕胎と蹂躙される数十万の姉妹らが監禁されているのか? キリスト教の信仰を持ったという理由だけで殺される自由の剥奪、いや自由の窒息があるのか?
国家の最高指導者に、全ての責任を取れと言えないという言葉は猟奇的だ。北韓の共産主義は、市場と企業を否定する。「無償配給」と言ったのに、金正日は1990年以後、敵対的階層にはてんで配給を断ってしまった。餓死者らが本格的に路上を覆い始めた1994年、9億ドルのお金をかけて錦繍山記念宮殿を建てた。ここに金日成をミイラにしてガラス管に安置した。9億ドルあれば、北韓の3年分の食糧輸入費だ。
飢えて死ぬ人が最も多く発生した1999年は、食糧の輸入を20万トン以下に減らした。代わりに持っていた外貨で、ミグ-21を40機、ヘリコプター8機をカザフスタンから購入した。金日成の死体を管理する費用だけで毎年11億ウォン、死んだ金日成誕生日の費用は360億ウォンに達する。北韓で今も続く飢えやこれによるぞっとする苦痛は誰のせいなのか? 国家の最高指導者のせいだ。金正日の責任だ。飢えて死んだのでなく飢えさせて殺した。
「破片的なことや噂では正確な真実が分からない」という主張は如何に偽善的か? 1万5000人の証人がいる。UNやEUでは毎年北韓人権に対する決議案を通過させる。どれくらいもっと多くの情報を望むのか? あなたが体験してこそ感じられるか?
「政治家ではないため、改善してあげられる何の力がない」なら、「民衆」を言ってはならない。「民族」も言ってはならない。統一は言うまでもない。彼は、政治家でないではないか?
北韓政権は倒れる。「親北」は、(祖国を売った)「親日」より何倍も破廉恥な歴史的犯罪として断罪されるはずだ。尊敬される「詩人」も、その日の審判が恐ろしくて震える日が遠くない。
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