金成萬(予備役海軍中将、元海軍作戦司令官)
韓米連合司令部が解体されると米軍は韓国軍と「連合作戦」はしない。「連合司」がいつかは解体されるだろうが、今は解体を推進すべき時期でない。
去る30年間、韓国戦争の再発を予防した、韓国の戦争抑制力である韓米連合軍司令部(以下、連合司、ROK-US Combined Forces Command)が、2012年4月17日10:00時に解体される。韓国政府(盧武鉉政府)の要求で解体される。わが国民の大多数はこういう計画がある事実すら知らない。
その理由はこうだ。
わが国防部が、ただ一度の言論報道を通じて「連合司令部の解体」という用語を使った以後、この言葉を使わないためだ。韓国の金章洙国防部長官とゲイツ米国防長官は、2007年2月23日、アメリカで国防長官会談を開き、共同発表文を公開した。
発表文の第3項に、「両側が2006年10月の韓米安保協議会議(SCM)で未来指揮関係の構造に合意したことに注目しながら、金長官とゲイツ長官は、2012年4月17日に韓米連合軍司令部を解体し、同時に米軍と韓国軍間の新しい支援(Supporting)-主導(Supported)の指揮関係へと転換することに合意した。このような脈絡から、ゲイツ長官と金長官は戦時作戦統制権転換の『ロードマップ』の履行を、2007年7月のロードマップの合意以後直ちに開始して、2012年3月、検証練習を通じて完結させることに合意した。」
「連合司」はどんな組織なのか?
人員が数百人に過ぎない小さな規模だ。専ら「韓米聯合作戦」を遂行するための軍事組織だ。 1978年11月7日に創設された。司令部はソウルの龍山地域に位置する。韓国軍と米軍が同数で編成され同じ事務室で仕事する。
連合司令部に付与された任務は、平時には停戦協定の遵守を通じて韓半島で戦争を抑制し、戦時には韓米連合軍(韓国軍の前方部隊、駐韓米軍、米本土からの増援戦力)を作戦統制して、北韓軍を壊滅させ、韓半島に韓国が望む自由民主主義統一を完成することだ。
だが、連合司令部は平時の戦争抑制のため、より多くの努力をしている。北韓が追加核実験(2009年5月25日)をやり、弾道ミサイルの大量発射で韓国を脅かしても、株価が上がるのは連合司令部の見えない役割のお陰だ。連合司令部は今北韓の挑発を抑制するため、東海に航空母艦強襲団を配置し、沖縄にステルス戦闘機(F-22)を緊急に増強させている。
連合司の役割と機能を要約すると、①戦時の連合作戦遂行のための純粋な軍事指揮機構、②韓米軍事同盟の実質的象徴としての戦争抑制力の行使、③北韓側が全面攻撃時米軍の自動介入への保障装置、④駐韓米軍継続駐留の政治的・軍事的名分の提供だ。去る30年間韓国の安保を護ってくれた空気のような存在だ。韓半島の安定を通じて韓国の経済と民主発展に大きく寄与している。
「連合司」を解体時の問題点は?
解体後は韓国軍と米軍が連合作戦をしない。いくら多くの米軍が直ちに支援しても、効率的な作戦が不可能だ。戦争の原則である指揮統一がなされず、連合作戦をしないからだ。したがって、韓国の戦争抑制力の弱化のために韓国戦の再発可能性、駐韓米軍の全面撤収の可能性、全面戦争発生時の戦勝保障不可、韓国主導の自由民主主義統一の困難などに対して悩まねばならない。
韓国は連合司を解体してもいいのか?
連合司もいつかは解体される。韓半島が韓国主導で統一されるか、東北アジアにNATOのような多国家の連合防衛組織ができて、韓半島で戦争(紛争)の憂慮が解消される時、韓米連合軍司令部は当然必要性がない。だが、今は連合司令部の解体を推進すべき時期でない。
その理由は、北韓の核武装によって南・北韓の軍事力均衡が完全に崩壊した。北韓軍は在来式戦力においても韓国軍より優勢だ。北韓は、大量殺傷武器だけでも韓国を焦土化できる能力を持った。その上、金正日は「第3の延坪海戦」や「第2の韓国戦争」を挑発する意志を明らかに持っている。金正日は、2012年まで「強盛大国」建設と「連邦制統一」を完成すると公言している。金正日の健康悪化、経済破綻などで2010~2020年の間に、北韓で「急変事態」が発生する可能性も高い。
そして日本・中国との領土紛争の可能性も憂慮されている。韓国は次第に四面楚歌の安保威嚇に直面しつつある。したがって、韓国は国家の生存と海洋領土保存のため、連合司の解体を一時凍結するか完了時期を再調整する選択をしなければならない。万一、韓国民が連合司の解体を固執すれば、「韓半島の戦争抑制、先進国建設、韓国主導の自由民主主義統一」に対する期待を諦めねばならなくなるかも知れない。
それでは、われわれはどうすべきか?
わが国防部は、「連合司」の解体計画を国民に詳細に知らせねばならない。これ以上「戦時作戦統制権の転換」という用語で国民を騙してはいけない。そして、連合司の解体後は、韓半島で戦争が再発することもあり得るという事実も教えなければならない。
南・北韓は、未だ「休戦状態」である。「連合司」を予定通り解体するか、でなければ延期するかをこの政府が決定しなければならない。900万の国民が、連合司令部解体反対署名にすでに参加している。署名運動は今も続いている。
そして、「参与政府(盧武鉉政権)」が、なぜ連合司の解体を2005年9月からアメリカに執拗に要求したかの理由を究明しなければならない。「参与政府」が、なぜ北側が核実験(2006.10.9)をした直後の2006年10月20日の韓米国防長官会談(尹光雄-ラムズフェルド)で、「戦時作戦統制権の転換(連合司令部解体)」に合意したのかも究明しなければならない。
アメリカは初めから韓国の安全と生存のため「連合司の解体」に反対した。そして最後の段階で韓国の要求に、止むを得ず「合意」に同意したのだ。これから全ての言論媒体が「戦作権転換」の代りに「連合司の解体」という用語を使うことを期待する。(konas)
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