趙甲済
指導者とは組織のために不利であっても正面勝負をしなければならない孤独な職業だ。勇気が無くて正面勝負を避けたら、もっと不利な立場でゲームをやるようになる。
李明博大統領は、企業の経営者やソウル市長の時は正面勝負で難関を突破した人だ。大統領になった後はそのような勝負意識が見えない。法治の最終責任者が、必ず勝負を賭けねばならない時、これを避けることで、社会的混乱を加重させ、国家に大きな損失を齎した場合が一度や二度でない。
1.昨年の「狂牛病事態」の時、李明博大統領は偽りの扇動をするMBCを相手に正面勝負に出ず、「疎通不足」や「朝つゆ(の歌)」云々して後退ばかりした。そのため、3ヶ月間大韓民国の心臓部を暴徒らに明け渡した。
2.今年の「龍山放火事態」の時も、大統領は鎮圧措置に過ちのないソウル警察庁長官(警察庁長内定者)を退かせたことで、法治確立の契機をのがした。
3.「メディア法」の改正でも、「MBCのような偽り扇動から、国民を保護するため必要な法だ」と堂々と表明しなかった。そうすれば、左派勢力の反撃を呼ぶのを恐れて、「働き口の創出」など枝葉的な理由(名分)を言って、世論の戦いで押された。
4.双龍自動車工場の不法暴力占拠事態でも、火炎瓶、私製砲、鉄玉発射パチンコ、手裏剣などで重武装した暴徒らを断固として鎮圧しなかったため、占拠篭城が長期化し、会社は破産危機に追われた。15万の警察が、数百人の暴徒らを鎮圧できないことで、数千人の働きたい善良な社員たちを保護できなかったのだ。こんな警察になぜ国民が月給を与えねばならないのか? もし双龍自動車が破産すれば、債権者らは職務を遺棄した国家を相手に損害賠償を請求できるはずだ。
5.李明博政府は、憲法を踏みにじり、法治を崩す反憲法的-反国家的左翼勢力と正面勝負をする勇気が無いため、「中道実用」という言葉を作り、「法の通りせよ!」という右派勢力を「(法を破壊する)左翼同様の頭の痛い勢力」と規定し、自らの卑怯さを合理化しようとする。
このような李明博大統領の態度は、自由民主主義と憲法精神、そして法治確立に対する確信が弱い彼の人格からくるものだから、直すのがかなり難しいだろう。国務総理に法治型の人士を任命して彼に法秩序の確立の責任を任せる方法が唯一の解決策ではないだろうか? 政治は他人を通じて自身の目的を達成する芸術だ。李大統領は、自身の得手である頂上会談、経済管理、南北問題などに集中し、不得手の法秩序の確立はその方面の専門家を起用すれば良いではないか? 李会昌先進党総裁を法秩序確立のための国務総理として迎える方法もあるではないか?
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