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2009年07月08日 00:00
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在外国民は国家の資源 「在外同胞庁」新設の動き
優秀な人材をネットワーク化

ソウルベンチャー情報大学院大学副総長 楊昶栄

 今年2月、在外国民の参政権が国会を通過したことで彼らの法的地位はいっそう高まった。今こそ選挙を含む在外同胞関連事務を統括する在外同胞専門部署の設立を積極的に検討しなければならない時期にきている。
 世界が一つの地球村にまとまり、複合的かつ相互に依存する関係が深くなればなるほど、世界各地に住む在外国民の“国家の資源”としての価値は高まる。韓国人は朝鮮半島という地域だけでなく、他国に住む韓国人にも関心を持たなければならない時代的要求に直面しているといえる。
 

楊昶栄(ヤン・チャンヨン)  1943年生まれ。1993年から社団法人「世界韓人商工人総連合会」の運営理事や事務総長を歴任。06年からは湖西大学の在外同胞研究所所長、在外韓国人の研究に取り組む。07年から在外国民参政権連帯共同代表として、在外国民の政治参加を積極的に推進。

 今は際限なき競争が続くグローバル時代。在外国民は韓国の活動領域を拡張し、外交力を強化し、輸出市場の拡大や、ひいては韓国文化の輸出と拡散に貢献するだろう。また、在外国民が持つ先端技術と資本は母国経済に寄与し、朝鮮半島の平和定着のための交流促進や、平和を土台とする繁栄をもたらすはずだ。在外国民のための専門機構新設が急がれる最大の理由だ。
 現在韓国の在外同胞政策推進体は、主に二つある。一つは在外同胞政策を審議・調整するための非常設機構として国務総理傘下の「在外同胞政策委員会」。もう一つは在外同胞政策の主務部署である外交通商部の監督下にある「在外同胞財団」だ。
 教育部、知識経済部、文化観光部、統一部、法務部、中央選管などの部署にも関連機関が散在している。海外同胞を実質的かつ総合的にまとめるには各機構の権限と予算に現実的な限界がある。
 在外国民に投票権が与えられたことで、効率的な支援体制を整える必要性が生まれた。在外同胞社会でも選挙活動を含めた各種行政サービスへの需要が高まるだろう。韓国政界では与野党を問わず、在外国民専門機構として外交通商部直属の「在外同胞庁」(または海外僑民庁)を新設するという法案が提出され、議論を重ねている。
 在外国民関連法を持つ国の大半は、他国に居住する国民に対して一般外国人以上に包括的な優待政策を実施している。特に中国政府は「華僑教務委員会」を設置して華僑を優遇している。その結果、華僑は技術と資本を中国に持ち込む呼び水の役割を担っている。

 ドイツ系の海外移民は1000万人に達するといわれるが、ドイツは移民が母国に移住したり国籍回復を希望する場合、基本的にすべてを受け入れている。ブルガリアは1992年に「在外ブルガリア人機関」を設立。2000年には関連法を制定し、400万の在外ブルガリア人に対して国内での滞留、就業、教育などで国内人と同等の資格を与えた。
 ほかにもイタリアは在外イタリア人協議会を、フランスは在外国民高等委員会を設け、国内外の自国民社会を一つに結集させている。
 在外同胞専門機構の設置は、「同胞愛により民族の団結を強固にし」という韓国憲法前文と、「国は、法律が定めるところにより、在外国民を保護する義務を負う」という第2条第2項の理念、さらに「憲法に基づいて締結、公布された条約及び一般的に承認された国際法規は、国内法と同等の効力を有する」という憲法第6条第1項を尊重して行わなければならない。
 地下資源や市場、軍事力などが中心だった産業化時代と違い、21世紀は文化、教育、学術、芸術などが中心になる「知識情報社会」だ。国家的次元で優秀な人的資源を育ててネットワーク化することは必要不可欠であり、国際化が進む中でさらにその時代的要求と必要性に最大限応じられるように同胞政策を整備しなければならない。今までの対策では不十分。国家戦略の次元に発展させなければならない。
 それこそ、190カ国に750万人の在外同胞を持つ「民族の国」として、そして世界の経済トップ10に入る国としてふさわしいあり方ではないだろうか。

2009-07-08 3面
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記事: 統一日報社 (web@onekoreanews.net)  
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