趙甲済
朝鮮日報の報道によれば、申暎澈大法官(最高裁判事)の「裁判介入」論難と関連して、全国法院の一線判事たちの集団行動が続いている中、朴時煥(56)大法官が、「今の状況は第5次司法波動と見られる」としながら、申大法官の辞退に微温的な同僚の大法官たちを批判したという。
朴大法官は、法院内のいわゆる進歩(左派)性向判事らの集いの「わが法研究会(1988年創立)」の初代会長で、盧武鉉政権期の2005年9月大法官に任命された人物だ。2004年盧前大統領弾劾審判事件では李容勳大法院長などと共に弁護人として活動した。
朴大法官は、ある新聞とのインタビューで、「判事たちに手続きと規定を守ることを強調する方々もいるが、それは合理的な状況の時できること」、「『4.19』と『6月抗争』も手続きと規定は守らなかった」と話したと5月19日報道された。朴大法官は、引き続き、「裁判への介入は、『維新』と『第5共和国』の時から続いてきたこと」と言い、「歴史的な流れの中で原因糾明を正しくし、今度の機会に断絶すべきだ」と話したという。
朴大法官は、5月12日、李容勳大法院長主宰で大法官12人が申暎澈大法官の去就問題を議論したことと関連し、「大法官たちが同僚の問題なので抽象的にだけ話したよ。(大法官たちに)非常に失望した」と言い、他の大法官たちを批判したと朝鮮日報が報道した。
朴大法官は、自分の発言で波紋が生じるや、法院ホームページの掲示板を通じて、「記者に特定主張に同調するという意思表示をした仕事がない」、「今回の事案は色々と鋭敏な懸案で、主張が分かれていて私がどちらの一方を支持したり同調するのは適切でないと考えている」と解明した。
「憲法を考える弁護士会」の林耿圭会長は、「法的安全性を護らねばならない大法官が、今は手続きを守らなくても良い状況だと話し、またその発言が意図的だったら、これは弾劾理由に該当する」と言った。
ソウル地方弁護士会の金炫会長は、「今が果たして司法波動と言う程の革命的状況なのか」といった。ソウル高法(高裁)のある部長判事は、「朴大法官の発言は、判事らに違法や脱法を助長すること」としながら、「今、何とクーデターをやろうというのか」と批判したそうだ。
朝鮮日報によれば、ソウル中央地法の某部長判事も、「大法官会議の時の雰囲気が問題だと感じたら、大法院長や申大法官を訪ねて、自分の意見をいうのが正道」とし、「あのような形で記者に辞退云々するのは卑劣なことだ」と指摘した。
朝鮮日報は、朴大法官の発言は、最近の事態を主導した一部の法官たちの現実認識を代弁したもので、これを通じて、現在法院内に根強く存在する理念的偏向がそのまま現れたという指摘も出たと分析した。
また、いわゆる進歩的指向の一部判事らが、保守政権の出帆に対する反感を「申大法官の辞退」要求という形態で表出し、法院の上層部がこれに適切に対応できなかったため、法院がわが社会の保・革葛藤の中心に立つ状況を自ら招いたという分析が説得力を持っているという。
「4.19義挙」は、李承晩政権による不正選挙に国民が抵抗権を行使した場合であり、1987年のいわゆる「6月抗争」は、「体育館での選挙」を通じ、政権延長を図る全斗煥政権に国民が街頭示威で抵抗した事件だ。朝鮮日報が伝えたインタビューの内容を見れば、朴時煥大法官は、今日の李明博政府を当時の李承晩・全斗煥政権と同様の事実上の独裁政権だと見ているようだ。これは李明博政府に挑戦した「ロウソク乱動」を「民主義挙」と見る金大中元大統領の視角でもある。
朴大法官は、そういう時局認識で、判事らが規定を守らず、集団行動をするのを正当だと主張したものと見られる。判事が法規を守らなくても良い非常事態とは、国民が抵抗権を行使するしかない、金正日政権の圧制のようなそういう状況だ。
左翼たちの乱動に対して、法の通りの対応すらできない虚弱な李明博政府を、独裁政権と見るという意味なのか、大韓民国体制そのものをそう見るという意味なのか、でもなければ、申暎澈大法官を裁判に介入する権力集団と見るということなのか、朴大法官の主張は支離滅裂それ自体だ。彼が選択した用語や意見開陳の方式から見て、成熟していない人格の所有者と見える。
裁判を、正常に迅速に進めるように、という申暎澈大法官の正当な忠告までも、裁判への圧迫だと主張しながら、集団行動を続けている、駄々を捏ねる判事たちに、最小限の良心があったら、事実上の「司法クーデター」を扇動した朴大法官に対しては、国会が弾劾する前に自ら退くか大法院長が辞退を勧告しろと促さなければならないはずだ。
国会は、公開的に司法府の独立と憲政秩序に重大な挑戦をした朴大法官を弾劾すべきだ。国民と判事たちが朴時煥大法官の路線にお従ったら、この国は無政府状態になるからだ。判事たちが法規定を守らなくても良い状況なら、国民は武器を持って体制や政権を打倒すべき状況であるはずだ。2009年の大韓民国体制を、そういうふうに認識する人物が大法官として法的な最終判断に参加しているという現実は鳥肌が立つ。
申暎澈大法官に対する一部の判事たちの卑劣な暴露と、これを受けて誇張し扇動した外部の勢力、これに迎合して申大法官に対する事実上の懲戒手続きに着手した李容勳大法院長が、今日の事態を招いた。大法院長は自ら退くか、集団行動をする判事たちに対して当然の措置を取らねばならないだろう。
申暎澈大法官は、法的手続きに従えと判事たちに勧告し、朴時煥大法官は法の手続きを守る必要がないと主張した。誰が正しく、誰が間違ったのかが見分けがつかない司法府なら、その裁判の結果を誰が信じるだろうか?
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