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2009年02月25日 03:16
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韓半島の危機状況ー北の脅威の実体と我々の対応
「韓・米同盟を土台に強力な膺懲(ようちょう)態勢を整えねばならぬ」
 
金成萬(前海軍作戦司令官)
わが大統領を「売国逆賊、逆徒」と非難してきた北韓は、2009年に入り、「西海5島」近海のわが海域(仁川の西側の海の半)を譲れと言い、南北間の38個の政治・軍事合意書をすべて無効化し、「南・北不可侵」の約束を廃棄して、「全面対決態勢への進入」を一方的に宣言した。今や弾道弾発射の威嚇も加えている。総合すれば、韓国に対して宣戦布告をしたのと同様だ。
 
これに対するわが政府の対応は微温的だ。適当な軍事的対策がないからだ。南・北間の軍事力の均衡がすでに崩壊した状況で、じっとしているのが最善だ。それで、守備や防御に汲々としているのだ。李相憙国防部長官は、2009年2月16日、国会で外交・統一・安保分野においての対政府質問への答弁を通じて、「西海上のNLLを含むDMZ、航空機を利用した挑発、海上のミサイル発射など多様な形態の挑発に備えている」と説明した。そして、政府は2月17日、青瓦台で、李明博大統領主催で第42次統合防衛中央会議を開催して、全方位の統合防衛態勢の確立を確認した。これが私たちのできる限界だ。
 
このため、多くの国民は不安を感じている。だが、今は全く心配する必要がない。ソウルに、「韓米連合軍司令部」(ROK-US Combined Forces Command、以下、「韓米連合司」)があるからだ。1978年11月7日に創設された以後、北韓の色々な武力挑発と戦争威嚇にもかかわらず、平時(停戦時)に韓半島で戦争の再発を確実に抑制してきた。全世界が羨む「連合軍事指揮機構」だ。事実、国民はこういうものがあることすら知らない。韓国の安保には空気のような大切な存在だ。
 
今度も、「韓米連合司」は、直ちに軍事対備態勢を完備して対応している。米国防部は別途に駐韓米軍に警戒強化をすでに指示した。それで、わが国民は、非常食料や防毒マスクの購入など戦争準備をせずに済む。ところが今度の事態は、その深刻性が過去とはちょっと違う。われわれが必ず解決すべき多くの課題を提起している。詳しく見てみよう。
 
まず、北韓の実体を明確に認識しなければならない。
ここ10年余りの間、われわれは北韓を同族や兄弟だと思って無条件支援した。「国民の政府」(金大中、1998.2~2003.2)と「参与政府」(盧武鉉、2003.2~2008.2)は、対北和解協力政策を推進して北に天文学的な無償援助を提供した。彼らが要求した現金、米、肥料、油類、鉄筋、セメント、道路ピッチ、車輌、生活必需品、医薬品などを条件なしで送った。我々のこういう対北支援は立派な政策で北韓には非常に有益なものだった。だが、極悪非道な金正日集団は、我々の純粋さを徹底に逆利用した。支援の大部分を軍事力増強に転用した。米も軍事に回された。
 
北は、もう大量殺傷武器(核兵器・化学武器・生物武器・弾道弾、以下WMD)を完備した軍事強国(世界5位)になった。2008年から「灰の廃墟」という表現で、われわれに核兵器使用までを脅かしている。韓国の生存と韓国民の生死が、テロ分子である金正日の慈悲に頼るような物悲しい状況になった。国民は、今でも(金正日の)北韓がわれわれの「主敵」であることを明確に認識せねばならない。政府は、2004年に(国防白書から)削除した北に対する「主敵概念」を当然還元せねばならない。
 
二番目、わが政府と国民は徹底反省しなければならない。
北側が1999年6月に「第一次延坪海戦」を挑発し、多くの国軍将兵を負傷させたにも、我々は反省しなかった。多数の国民が「金剛山観光」や平壌での「アリラン祝典」の観覧に行き、莫大な現金が北韓政権に流れた。2000年6月には、第一次南北頂上会談の「代価」として4.5億ドルを北側に支払った。こういう現金で軍事力を増強した北韓は、2002年6月に「第2次延坪海戦」を挑発した。わが海軍の高速艇が沈没した。将兵6人が戦死し、18名が負傷した。
 
われわれの現金が、国軍将兵を殺す砲弾として戻ってきたのだ。それでも、観光を中断しなかった。北韓に(見物に)行ってこないと、「仲間外れ」になる。政府は観光客を可能な限り多く送るため国家から補助金まで支払った。北韓を訪問した人は、不思議にも北韓をもっと支援すべきだと強調する。これにも足りず、政府は開城工団を作ってさらに多額の現金が今も北に流れている。このような状況を、果たして正常な国家、正常な国民と言えるだろうか?
 
三番目、政府は北側の脅迫に屈服してはいけない。
金正日は、1994年から終身独裁者として5年ごと同じ手法で韓国政府を愚弄してきた。(新政権発足後の)1年から1年半は、南・北の対話を遮断して軍事的に韓国を脅迫する。これにわが政府が屈服すれば対話を再開する。対話の条件として、我々は米50万トン、肥料30万トンなどを「朝貢的」性格で提供した。北韓は、毎年年初には食糧が足りないという出鱈目(デタラメ)なデータを世界の言論に流し、韓国民の「対北情緒」を刺激する。韓国国民はこれに騙されて、北韓同胞が飢えて死ぬと喚きたてる。
 
以後、毎年、米や肥料などを自動的に納めなければならない。他にも支援をたくさんやれば、あれこれの合意書に同意する。対北支援が終了する時点で、北韓は合意書の履行を中止する。金正日が韓国からの「朝貢」に不満足を表わせば、北の軍部は直ぐ「延坪海戦」などを挑発する。第1・2次の延坪海戦は、共に韓国が「太陽政策」を推進した期間だったことを忘れてはいけない。当時、そこまでの多くの支援を貰っても、金正日は足りないと判断したのだ。
 
韓国の政権の任期末には、対話を徐々に遮断しながら、彼ら(北)に有利な政権が大統領選や総選で勝利するようにあらゆる中傷謀略を尽くす。今度の北側の武力挑発の威嚇も、このような戦略から始まったものだ。いま韓国政府は、この点を看破し、李明博政府は南北対話をしないという覚悟で臨まねばならない。われわれ国民も、これを理解しなければならない。
 
四番目、政府の国家政策を積極支援しなければならない。
李明博政府は、「非核・開放・3000」を対北政策として定め、一貫して押し進めている。北韓の非核化と北の経済発展のためのことで、国内外からたくさん支持されている。韓国の生存のためには、北の核兵器の威嚇をこれ以上放置できない。そして政府は、ミサイル防御網(MD)を構築し、大量殺傷武器拡散防止構想(PSI)にも正式に参加する予定だ。正常国家としてはあまりにも遅れた措置だ。
 
そして、李明博政府は、2012年4月17日に予定された「韓米連合司」の解体を見直すことにした。政府は、2008年10月7日、国務会議を開き、「大統領職引受委員会」が当初作成した193個の国政課題を、政策環境の変化に合わせて修正・補完した「李明博政府の20大国政戦略、100大国政課題」を確定して発表した。ここで「韓米連合軍司令部」の解体問題は、「5番目の国政指標(成熟した世界国家)の戦略19(堅い先進安保体制を構築します)の課題92(戦時作戦統制権の転換の適正性を評価し補完します)」に含まれている。韓国の戦争抑制力である韓米連合司の解体は、最も緊急な懸案として早急にアメリカと再協商せねばならない。少なくとも北側のWMD威嚇が完全に解消されるまで解体を延期しなければならない。
これを通じて、去る10年間破壊された韓米同盟を血盟関係に復元させねばならない。国民の理解と積極的な支持が必要だ。
 
以上のように、韓国の安保状況が惨憺たる状況に陥ったのは誰の所為でもない。政府と国民の自業自得であり、北側の背恩忘徳のためだ。今や、われわれ国民は一日もはやく北韓に対する漠然とした憧憬から抜け出て、「主敵」の実体を正しく認識しなければならない。もし、再び過去の対北政策を繰り返したら、韓国は国家生存まで脅かされるだろう。また、「韓米連合司」が予定通り解体されると、国民は戦争をもっと心配せざるを得なくなるだろう。政府と国民が決断しなければならない時間があまり残っていない。(konas)
 
金成萬(予備役海軍中将、前海軍作戦司令官) www.konas.net 2009.02.23 14:50
www.chogabje.com 2009-02-23 17:00
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