鄭昌仁インターネット独立新聞主筆
今、各政党が「公薦」のため疲弊している。単純な疲れや疲弊ではなく、民主主義国家ではあり得ない「公薦」(公認)という非民主的制度のため、国民から指弾を受けている。民主主義を実現するための政党が、公認という制度をもって民主主義を踏み躙っているっから、「公薦(公認)」制度を廃止し、真の民主制度を導入しなければならない。
国会議員は地域区の住民が選ぶことになっている。国会議員は国家を代表すると同時に、住民も代表する。当然住民が主権を行使しなければならない。住民の「主権」は、各政党の候補の選出から本選に至るまで一貫して行使されるべいだ。
しかし、各政党の地域区の候補選出は、各政党の中央党が行う。もちろん、「公認審査委員会」というものを設け、審査し候補を決めるが、非民主的であることは言うまでもない。「委員会」が多数決で候補を決めればいいではないか、と反問するかも知れないが、基本的に各地域の該当政党の党員らが行使すべき権限を、中央党が持っているから、当然非民主的だ。
以前は、主要実力者が公認権を独裁者のように行使した。いわゆる「3金」(金泳三、金大中、金鍾泌)という人々は、「公認権」を通じで権力を強化し、さらに「公認献金」の名目で政治資金も確保し、はなはだしきは個人財産まで増やした。民主主義という仮面をかぶった独裁者たちだった。商売の中で「公選の商売」が最も儲かった。お金も儲け、権力も得たからだ。
この頃の政党の公認も、少しも変わっていない。もちろん、「委員会」を通じて決定するというが、実力者が公認を左右する。実力者の至近距離にいなければ、いくら国家のために、または住民のために奉仕するという覚悟があり、また国民の代表者として誠実に仕事をなす道徳性や業務遂行能力を持っていても、実力者と親しくなければ、公認(公薦)されることはできない。旧時代の軍閥のような人々が政党の中で公認を駆け引きしているのだ。
地域住民とは縁もゆかりも無い人が、政党から公認を受けると、つまらない縁故を掲げ落下傘で地域区に下りてくる。地域住民は人物でなく政党だけを見て票を入れる。だから、選出された当選者は、住民が選んでくれたのでなく、実力者が自分を選んでくれたと思う。それで彼は住民を代表するのではなく、実力者の僕になり忠誠する。少し誇張したが、実態はこの通りだ。
政権交替が実現され、多くの志のある人々が、国会議員も大幅の入れ替りが必要だ、と言っているが、今の公認過程を見ると、やはり権力の分け合いのため、人物の交替はなさそうだ。政権交替のために一生懸命闘争した人々より、実力者のそばで何年間も召使のように権力者に尽くした人々が、「公薦(公認)」という非民主的制度の恵をすべて取っている。
韓国の民主主義が成熟し制度的に定着したとは言うものの、未だその内容は非民主的だ。真の民主主義の定着のためには、恐らく国民革命の過程をもう一度経なければならないようだ。権力者でなく国民が主権を行使する、真の意味での民主革命が必要だ。
[鄭昌仁、インターネット独立新聞主筆]http://blog.chosun.com/cchungc
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