金成昱
金文洙京畿道知事は、12月1日の「趙甲済の現代史講座」の講演で、「朴正煕大統領が『マイカー時代』のビジョンを話した時、経済学者らは口をそろえて批判した」と言った。だが、「歳月が過ぎてみると、わがだとばかりした学者らの主張が全て間違った」と付け加えた。
現実は理論の通りに行かない場合が多い。変革の時期であるほど、予測は大きく外れる。60~70年代の近代化の激変期に比肩される状況が、金正日以後の北朝鮮の未来だ。絶対多数のいわゆる「北韓学の学者」らは、「北朝鮮の崩壊」や「自由統一」の可能性そのものいに触れようとしない。
だが、果たしてそうだろうか? 金知事が、30年経って「全て間違った」と告白したように、今横行する、いわゆる「専門家たち」の北朝鮮予測も遠からずゴミ箱に捨てられるかも知れない。北韓同胞が死んでいく現実、北朝鮮体制が滅びていく現実とかけ離れた腐った論理、死んだ分析があまりにも多いからだ。下は、金知事の講演(12月1日)の中で関連部分を整理したものだ。
<<大韓民国は底力がある。われわれはできる! 春の端境期の時代を乗越えて、牛車からマイカー時代へ進入した。高校3年の時、教科書に政権延長のための改憲は誤りだと記されていた。その時、ちょうど朴正煕大統領の「3選改憲」があったが、教科書で習った通り反対デモを行って無期停学にされた。
大学へ入ってからも朴正煕大統領に反対し続けた。ソウル大学の商大に在学中、朴大統領が「マイカー時代(のビジョン)」を話した。商大の教授たちは全員が真っ赤な嘘だと言った。理由はこうだった。
「自動車産業を興す技術がなく、市場がなく、資本がない。作っても売れないはずだ... 特に、自動車は生命をのせて走る文明の利器だが、ともすると凶器にもなり得る。このような自動車をメイドイン・コリアで作れば誰が買うのか? しかも、イギリスも自動車産業が傾いて、アメリカや日本に押されている。」
大韓民国の教授、先生らがみなそう言った。「マイカー時代とか何かは、独裁の延長手段として国民を惑わせる、世人を迷わし欺く政策だ」と。
教授や先生方のお話を聞いてみると正しいようだった。それで熱心にデモをやった。わがだとばかりした学者らが全部できないと言ったから、これが成功すると想像できただろうか? 数日前も、起亜自動車の工場に行ったが、その時のことが思い出した。
当時は、自動車産業も反対! 造船も反対! 防衛産業体も反対! 高速道路も反対! (知識人社会の)主流の皆が反対した。独裁の延長手段だ、国民を欺くな!、と批判した。ところが、その時の経済学者らが言ったことが、事実は全て間違った話だった。>>
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