金成昱
11月26日、国会国防委員会に提出される予定の「国軍捕虜と北へ拉致された人の送還決議案」に民主党と民主労働党所属国会議員はただ1人も発議者として参加しなかったことが確認された。
自由先進党の朴宣映議員が10月23日代表発議したこの決議案には、ハンナラ党の具相燦、権寧世、李範観、李相得、李春植、鄭夢準、鄭鎮碩、鄭玉任、鄭義和、陳永、洪政旭、黄震夏議員および創造韓国党の文国現議員が発議者として参加した。
「国軍捕虜と拉北者の速やかな送還と問題解決のための特別対策の樹立を促す決議案」というこの案は、政府が前政権の傍観者的な態度を改め、国軍捕虜と拉北者の送還のための特別対策を樹立することを促している。
この決議案は、①在外公館に滞在中の国軍捕虜や北へ拉致された人々の速やかな送還、②国軍捕虜や拉致問題の解決のための政府の特別対策の樹立および北朝鮮当局との対話の提案、③帰還国軍捕虜や拉北者とその家族に対する支援対策の用意などを主な骨子としている。
国軍捕虜と拉北者の送還を促す決議案の発議は今回が二度目だ。2000年度に「国軍捕虜および北へ拉致された人の送還要求決議案」が国会で可決されたが、政府は2008年の現在までただ一人の国軍捕虜や拉北者を救出しなかった。
民主党は、発議案に参加しなかった理由に対して特別な立場を表明していない。記者は数回の電話の末民主党の国防専門委員のチョン某氏と通話したが、彼は「まだ検討していあない」とだけ答えた。
発議案を主導した朴宣映議員は、「死ぬ前、故郷に戻って家族たちのふところに抱かれるようにすることは人権の問題であって政治的事案でない。不法に逮捕・監禁された自国民の送還は国家の責務である」と主張した。
<国軍捕虜および拉北者の送還要求決議案>
われわれ国会は、国軍捕虜および拉致問題の解決のため政府が先頭に立つことを望み次の通り決議する。
1.政府は現在在外公館に滞在中の国軍捕虜と拉北者を速く韓国へ送還することを促す。
2.政府は前政権の傍観者的な態度を改め、最後の一人まで祖国と家族のふところに抱かれるように特別対策を樹立することを促す。
3.政府は国軍捕虜と拉北者の身柄を確保する努力を傾注し、彼らの送還に関する具体的な対策を用意するための対話を北朝鮮当局に提案することを促す。
4.北朝鮮当局は、われわれの国軍捕虜および拉北者の問題解決のための対話要求を直ちに積極的に受け入れるよう要求する。
5.政府は帰還国軍捕虜および拉北者とその家族に対する充分な支援ができるように補完対策を用意することを促す。
提案理由
国会は、2000年12月8日、「国軍捕虜および北へ拉致された人の送還要求決議案」を可決した。当時国会は拉北抑留者487人、生存が確認された国軍捕虜351人(国会の統一外交通商委員会の決議案検討報告書)など総839人の生還と支援対策を作ることを政府に促した。
だが、2008年の統一部資料によると、2001年から2008年まで国軍捕虜57人と拉北者6人の総63人が自ら脱北して韓国に帰還しただけ、政府の努力によって送還された人はたった1人もいなかったことが明らかになった。
「参与政府(盧武鉉政権、2003.3.~2008.2.)は、「太陽政策」という基調の下、総1兆4,000億ウォン相当の対北支援をしながらも、帰還してきた国軍捕虜および拉北者とその家族らが北朝鮮に残っている人々の早急な送還を要求する声に対しては黙殺・無返答であった。
国軍捕虜および拉北者たちは、わが国が体験した同族の相争いの悲劇をそのまま引き受けた痛みをこの何十年間の犠牲を払ってきた。彼らの問題をこれ以上放置する時間的な余裕がない。
大部分が70才以上の高齢者であり、人権問題の次元で当局の速やかな努力が緊急な時点である。しかも彼らもわが大韓民国の国民であるので、国民の生命と安全を保護する次元で政府の積極的な意志と可能なすべての措置を傾注しなければならない。彼らが一日もはやく祖国と家族の懐に戻れるよう、政府の早急な関連対策を促す。
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