金成昱
国家人権委員会が、「大韓民国人権賞」(12月10日施賞)の褒賞対象者として選定した、「民主化実践家族運動協議会」(民家協)の釜山代表の李ジョンイ氏は、親北団体である「民主主義民族統一全国連合」(全国連合)の釜山議長を歴任したことが確認された。
「全国連合」は、左派団体の会議体制として機能してきたが、2008年2月、「韓国進歩連帯」という左派の連合体と合体し、いわゆる発展的に解消された。この団体は、2001年9月22日-23日、忠北槐山郡でなされた「君子山の決意」以降、「国家保安法撤廃・駐韓米軍撤収・平和協定締結・連邦制統一」を公開的に主張してきた。
「全国連合」は、いわゆる「君子山の決意」の中で、「『連邦統一祖国の建設』とは、△北朝鮮の『社会主義革命力量』とアメリカ『帝国主義勢力』の対決で、社会主義革命力量が勝利し、南韓内の『民族民主戦線力量』が『親米隷属勢力』との対決で民族民主戦線力量が勝利した後、△南韓内『民族民主戦線力量』の反帝闘争が、北朝鮮の『社会主義革命力量』が勝利の機先を制した、反帝戦線に加勢し結集する様相に展開する」として、事実上北朝鮮主導の社会主義統一を主張した。
「全国連合」は、2006年の一年間、約800回の集会やデモ、記者会見など行事をなしたと自分たちの会議録で主張している。
特に、「全国連合」は、社会的イシューが発生する時ごとに、いわゆる「汎国民対策委」という機構を構成し、親北・反米運動を繰り広げてきた。
「全国連合」は、△2001年、「梅香里米軍国際爆撃場閉鎖汎国民対策委」、△2002年、「米軍装甲車故シン・ヒョソン-シム・ミソン殺人事件汎国民対策委」、△2004年、「弾劾無効・腐敗政治清算のための汎国民行動」、△2005年、「貧困を拡大するAPEC反対・ブッシュ反対国民行動」、△「農業の根本的回復と故チョン・ヨンチョル農民殺害糾弾汎国対策委」、△「平沢米軍基地拡張阻止汎国民対策委」、△2006年、「韓米FTA阻止汎国民運動本部(FTA汎国本)」などを構成した。
国家人権委員会は、「大韓民国人権賞」の褒賞背景に対し、「わが社会の人権向上のため黙黙と献身してきた人権団体および個人の情熱と努力を讃え、これを通じて人権尊重の文化拡散に寄与する」と明らかにした。
<民家協とはどんな団体なのか?>
国家人権委員会が、「大韓民国人権賞」(12月10日施賞)の褒賞対象者として「民主化実践家族運動協議会」(民家協)の釜山代表の李ジョンイ氏を指名した。
「民家協」は、国家保安法廃止やいわゆる「非転向長期囚など良心囚、性的少数者、良心的兵役拒否者」などを保護することに注力してきた団体だ。「非転向長期囚」とは、スパイやパルチザン出身で転向せず、長期間服役した左翼囚を指す。
この団体は、ホームページに、「民家協は、創立から今まで良心囚の釈放のための活動を着実に展開している」、「良心囚の存在そのものを否定し、釈放に渋かった政府を強く糾弾して社会的関心を呼び起こすことによって良心囚を社会問題化した」と書いた。
また、「その後も、相変らず投獄されている非転向長期囚たちの釈放を促すため、毎年8月に、明洞聖堂で『投獄の示威』である一日監獄体験行事を展開してきた」とし、「これを通じて、1999年12月31日を最後に、すべての非転向長期囚たちが解放された」とで付け加えた。
引き続き、「1999年12月、『非転向長期囚送還推進委員会』を結成し活動した結果、2000年9月3日、ついに63人の非転向長期囚が北の故郷へ帰ることができた」として、非転向左翼囚の釈放や送還に先頭に立ってきたことを明らかにしている。
<非転向長期囚送還推進委員会の結成>
「民家協」は、「国家保安法廃止国民連帯」はもちろん、仁川の自由公園にあるマッカーサー銅像の破壊を試みた親北団体である「統一連帯」や、反米暴動を起こし、国軍まで暴行した「平沢汎国民対策委」などに参加してきた。
この団体もホームペイジで、「国家保安法・社会安全法・保安観察法など民主主義と人権に逆行する代表的な悪法撤廃のために休まず努力してきた。その結果、社会安全法(1989年)、転向制度(1998年)、遵法誓約書(2003年)が廃止された」と記している。
また、「特に国家情報院(安全企画部)、警察の対共分室、検察の公安部、公安問題研究所(警察大学の傘下機構)など公安捜査機構に対する監視活動と問題提起をして、このような活動が2004年7月、公安問題研究所の廃止を引き出す土台になった」として、国家の対共機能の解体に先に立ってきたことを明らかにした。
<ロウソク乱動を主動した指名手配者たちの手配解除を促す木曜集会?>
「民家協」は、93年9月から毎週の木曜日、いわゆる「良心囚の釈放と国家保安法撤廃のための木曜集会」をソウル鍾路のタプコル公園の前で開催してきた。紫色のハンカチをつけて行われる「民家協」の木曜集会は、今度の「ロウソク乱動」期間も続いた。
例えば、9月11日、タプコル公園の前で、いわゆる「ロウソク示威の指名手配者たちの手配解除を促す木曜集会」を開き、「国民の声を代弁した、ロウソク示威の手配者たち(の行動)は正当だ」、「ロウソク示威の拘束者たちを直ちに釈放し、指名手配者たちに対する手配を直ちに解除せよ」と主張した。
「民家協」は、この他にも、「良心に従った兵役拒否権を人権問題として認定することや、代替服務制の導入運動、保安観察法の廃止運動、性的少数者など少数者らの人権問題にも関心を傾け、相変らず解決されていない人権問題を社会擬制化するための活動を展開している」と自らの団体紹介に記している。
<「非転向長期囚の2次送還を必ず成し遂げましょう」を決議>
「民家協」の傘下には、いわゆる「良心囚後援会」(会長・権五憲)という組織がある。この組織は、非転向左翼囚の送還に先に立ってきたが、例えば4月27日、鍾路5街のキリスト教会館の講堂で総会を開き、「非転向長期囚の2次送還を必ず成し遂げましょう!」、「6.15や10.4宣言を固守・履行、国家保安法と良心囚のない世の中のため力強く進もう」という総会決議文を採択し発表した。
「民家協良心囚後援会」の権五憲会長は、2005年5月28日、全北道の回文山で開かれた、いわゆる「南の統一愛国烈士追慕前夜祭」というスパイやパルチザン追悼行事でこのように言った。
「55年前、我々の先輩たちが血を流して戦った戦争はまだ終わっていない。わが民族の敵は、55年前も今もアメリカだ。散華した英霊らを追慕し、その意を継承して、自主・民主統一を成し遂げる契機にしよう」(統一ニュースの報道)
この行事で、慶南地域のパルチザン出身の朴・スンジャは、「死んだ同志たちは、外勢に反対して闘争した」、「解放60周年、党創建60周年、『6.15』5周年の今年、我々は手に手を取って北へ行く。統一はほぼ達成された」と扇動した。
<スパイやパルチザン追悼行事に参加してきた「民家協」幹部ら>
権五憲会長は、前日、京畿道坡州の普光寺に造成された、いわゆる「統一愛国闘士墓域ヨンファ公園」というスパイとパルチザン追慕公園の竣工式でも、「この墓域がたとえ狭くてみすぼらしいが、一生を献身的に統一愛国運動をした方々を祭っているだけに、この墓域が持つ意味を如何なる国立墓地にも比べられない」と話した。
この日の行事を報道した「統一ニュース」によると、「民家協」の林基蘭・前議長は、「生前に、弾圧の中で良心と所信を曲げなかった先生たちを永遠に愛する」と言った。
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